出版物のご案内 :: 山形大学出版会
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027春 庄内地方の農産物直売所に聞くと�せつだ梅の梅干しを販売しているところは三カ所のみであ�た�ただし�地元産の梅干しを取り扱�ているところは多く�そのなかにはもしかすると�せつだ梅の実生�みし�う�種から生じた個体のことで�他の品種のウメやアンズとの雑種である可能性もある�由来の木の果実が加工されているケ�スが相当あるかもしれない� 一方�鶴岡市櫛引地域では�庄内節田梅�の栽培が広がりつつある�これは�同地域の果樹生産者が業者から購入した節田梅の苗木のなかから選抜したものである�耐病性があり�果実が大きいわりには核が小さいのが特徴だという�現在せつだ梅と呼ばれているものには果実の形質がかなり異なるものが含まれていることを考えると�庄内節田梅のようにその地域によりよく適応したものを�再度選抜していく必要があるかもしれない� 庄内地方にはもう一つ�将来この地域の在来作物にな�ていくと思われる�おばこ梅�という品種がある�おばこ梅は現在�酒田市松山地域を中心に梅酒用の青梅品種として生産が振興されている�もともとは�鶴岡市藤島地域の生産者が同市湯田川地区に所有している果樹園のウメのなかから選抜したものであるという�果実は小さめであるが�そろいがよく豊産性である�受粉樹も必要ない� おばこ梅にはまだ三十年あまりの歴史しかないが�生まれ故郷から少し離れたところで熱心に育てられて�近い将来在来作物の仲間入りをすることだろう��平 智・山形大農学部教授/2008年3月19日山形新聞夕刊掲載�果実が大きいせつだ梅、梅酒に最適おばこ梅。せつだ梅とおばこ梅松森胤保著�両羽博物図譜��酒田市立光丘文庫所蔵�に描かれた�芹田梅�せつだ梅の果実と核

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