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8第Ⅰ部 山形の歴史と文学山形寺町の形成松尾 剛次はじめに 「山形魅力再発見」の第1番手である私は、日本都市史と、日本仏教史が専門です。山形県は、山寺立石寺、寒河江慈恩寺、出羽三山をはじめ宗教史上注目すべき寺社があります。それらは、いずれも著名な観光地となっており、改めてその歴史的・宗教史的価値を指摘するまでもありません。他方、寺町は、あまりに身近過ぎて、その価値が十分に理解されているとはいいがたいようです。そこで、本日は、山形市の寺町(1)に注目して、山形の魅力を再発見し、観光資源としての寺町の存在に光をあてたいと思います。第1 山形城下と寺町 寺町と聞いて、何を思い浮かべますか? 専称寺、悲劇のヒロイン駒姫、浄土真宗、戦国大名最上義光(1546~1614)…。実は、最上時代の寺町とは、現在の寺町と必ずしも一致していないのです。どこを指していたのでしょうか? 最上時代は浄土真宗だけの集まりだったのでしょうか? なぜ、そこに寺町が作られたのでしょうか? 山形城下における寺町の存在意義はどんなものだったのでしょうか? 専称寺の周りに真宗の寺を集めたのは誰だったのでしょうか? まず、寺町も「構成要素」であった山形城下町の話から始めましょう。この絵地図(図1)は、『最上家在城諸家中町割図』(2)といい、県立図書館に図1『最上家在城諸家中町割図』

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