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て制限や罰則などが定められる。1-2まちづくり条例による個別事業の提案国土利用計画法を最上位法とする法体系に基づき自治体側が定める個別事業とは別に,近年では「まちづくり条例」と呼ばれる条例によって,住民の意見や要望を直接的に反映する個別事業が策定されるようになってきた。住民の合意に基づき,地域の実状に応じた施策を提案するといった観点から見れば,都市計画法で言うところの地区計画等に類似するが,法律によって規定されない部分を住民が決めるまちづくり条例は,よりきめ細やかなまちづくりに繋がる点が評価されている。換言すれば,地区計画制度を活用するためにまちづくり条例が存在するという見方もできる。内海(2010)は,まちづくり条例を,都市計画行政の上に立脚する「狭義のまちづくり」に対応する条例と,住民の自治やそのための手続きにまで踏み込む「広義のまちづくり」に対応する条例に分け,前者の条例の限界から提起されるようになった後者の条例の代表的なものとして自治基本条例を位置づけている。内海によれば,まちづくり条例は都市計画行政を補完するものであり,自治基本条例によって住民自治が体系的に示される。そのうえで,内海は,①法律と条例との矛盾,②条例間の整合性や方向性の不一致,③議会の議決と住民の自治とのずれ,が課題であると指摘している。一方,野口(2012)は,基本的な理念等を定めた自治基本条例や市民参加条例をあえて含めず,個別事業に直結するもののみをまちづくり条例と呼んでいる。野口は,法律と条例,あるいは自治体業務と住民自治が必ずしも整合するわけではないことを強調し,そこにまちづくり条例制定の難しさがあると述べている。両者の意見は一見対立しているように見えるが,実際は,法体系に基づく行政計画の策定と住民の自治を最優先に考える条例制定とのずれを問題視している点で一致している。住民自治が最優先されることは理想かもしれないが,現実にはそうではない。自治体内で実施される多種多様な事業13第1章地域政策としての総合計画valuation use onlyon use only evalualy evaluation use luation use only e use only evaluatio

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