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………8序 論「復興」のあり方を問う序論 人間の復興山形大学 下平裕之1.災害と「人間の復興」(1)復旧と復興 この序論では災害からの復興に関するさまざまな考えを扱いますが、まず最初に「復興」と言う言葉の辞書的な意味から確認してみましょう。『防災事典』(日本自然災害学会)によれば、復旧とは被害や障害を修復して従前の状態や機能を回復することであるのに対し、復興とは単に従前の状況に復旧するのではなく、長期的展望に基づき、市街地構造や住宅形態、社会経済を含めた地域の総合的な構造を抜本的に見直し、新しい市街地や地域の創出を目指すことをいいます。 このように「復興」と言う言葉には新しい地域の創出という積極的な意味が含まれており、実際の過去における災害復興計画においてもこのような意味合いを持って使われてきました。1つの例として、阪神淡路大震災(1995年)後に作成された、『神戸市復興計画』5ページに記載された「復興」の定義を見てみましょう。復興にあたっては、単に震災前の姿に戻すにとどまることなく、震災の経験や教訓を生かし、より安全で快適な、にぎわいと魅力あふれるまちをめざし、「アーバンリゾート都市づくり」に資する復興を進めていくことが重要である。(2)復興の背後にある思想 上で示したような復興の定義の背景にあるのは「これまでの地域や社会が災害により壊されてしまったのを機会に、二度と大きな被害を受けない防災まちづくりを進めたり、全く新しい都市づくりをしていこう」という思想です。阪神淡路大震災の復興過程では、このような思想の下で社会基盤・産業基盤evaluation use only ese only evaluation usaluation use only eva only evaluation use oation use only evalua

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