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9…………整備のための大規模な公共事業を中心とする復興計画が実施されました。 ところが、このような復興思想は被災地の復興に必ずしも結びついていないのではないか、という批判が起こりました。この理由として、最も被害が大きかった地区の1つである神戸市長田区(新長田中心市街地)で、大規模な再開発が行われたにもかかわらず人口や小売店数・販売額が大幅に減少しまったという現象が見られたからです。このことについて、2008年に作成された『神戸市(新長田地区)中心市街地活性化基本計画』に記載された統計データに照らしてもう少し詳しく見てみましょう。 まず人口に関してですが、震災により新長田中心市街地の人口は激減しました。その後、再開発事業・区画整理事業による都市整備基盤整備が進むにつれて人口では対平成7年比で約33%、世帯数では約57%増加し、回復基調にありますが、依然として平成2年の人口の約77%、世帯数では約91%にとどまり震災前とは大きな差が生じています。 次に歩行者通行量をみてみると、震災前と比較すると全般に通行量が減少し、特に平日(約37%減)よりも休日(約50%減)の落ち込みが激しくなっています。これは、平日の歩行者の中心である通勤客のベースとなる人口が再開発事業による住宅整備で回復傾向にあるのに対し、休日の歩行者の中心となる区域外からの来街者については、商業施設に空き店舗が目立つなど、集客力が十分回復していないことが原因と考えられています。 小売店に関しても厳しい状況が続いています。年間小売販売額は神戸市全体では震災前の約86%まで回復しているのに対し、新長田中心市街地では約57%にとどまり減少幅が大きくなっています。人口回復を売り上げの増加につなげられていないことや、空き店舗・空き床が目立ち、商業集積地としての魅力が低下したことが要因と考えられます。また再開発事業による建物の整備を進めている一方で、店舗数が震災前の約57%に減少し、それに伴い従業者数も約68%に減少しています。神戸市全体では、店舗数は震災前の約82%まで回復、従業者数も約102%に回復しており、新長田中心市街地における減少幅が特に大きくなっています。 新長田中心市街地には、重工業とそれを支える中小製造業、ケミカルシューズ産業などが集積していますが、震災前から活力が低下していました。震災evaluation use only ese only evaluation usaluation use only eva only evaluation use oation use only evalua

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