出版物のご案内 :: 山形大学出版会
13/32

11……… そして福田が自身の社会政策を主張する際の出立点が「生存権の認証」でした。生存権は、労働権・労働全収権(労働の成果は全て労働者に帰するという考え)とともに社会政策の基礎と考えられていましたが、生存権こそは「社会権中の社会権」「新社会の根本的欲求」であり、最も基本的な社会権としての生存権を認証することが社会政策の出立点であり目的でもあったのです(西沢2006:199)。 福田徳三が「人間の復興」という考えを初めて提示したのは、関東大震災後に出版された著書『復興経済の原理及若干問題』(原著は1924年刊、復刻版は2012年刊)においてでした。この本は、関東大震災に関わる自身の新聞・雑誌の論説をまとめたものですが、その中の第7章「営生機会の復興を急げ」において、大規模な首都改造の提言を行った後藤新平(当時の内務大臣)への批判として提示されています(文中の歴史的仮名遣いは現代仮名遣いに直してあります)。私はこれらの時流に対して、生存権擁護の立場から、一切を考え直し、見直すことの切要なるを主張せずには措く能わざるものである。其れと同時に、今政府が膨大な規模を以って着手せんとする復興事業に対して、この立場から少なからざる疑惧の念を懐くを禁ぜざるものである。何となれば、今日までに公にせられた政府の復興に関する方針や施設は、依然として物本位のものであって、人本位の施設に至っては、殆ど聞くことを得ないからである。後藤子[後藤新平]が企てる復興は形式復興に偏し、道路、建物、公園等に主として着眼し、物の技師は八方から集めてくるが、これらを利用すべき人間の復興に就ては、一体如何するつもりなのか一向わからないのである。(福田2012:132)私は復興事業の第一は、人間の復興でなければならぬと主張する。人間の復興とは大災によって破壊せられた生存の機会の復興を意味する。今日の人間は、生存するために生活し、営業し、労働せねばならぬ。すなわち生存機会の復興は、生活・営業及び労働機会(これを総称して営生機会…という)の復興を意味する。道路や建物は、この営生のevaluation use only ese only evaluation usaluation use only eva only evaluation use oation use only evalua

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です