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……14序 論「復興」のあり方を問う労働需要が減少し始めた時、新たな雇用の受け皿となる産業がなかったためです。 風間(2012:4-5)によれば、阪神・淡路大震災の教訓が示しているのは、インフラなどの復旧・復興事業が一巡した後にも継続的に雇用を創出するようなリーディング産業や新たな成長産業を育てていくことこそが、被災地における雇用政策を考える上では不可欠だということです。東北沿岸部は農林水産業や水産加工業の比重が高い地域ですが、震災前から就業者の高齢化が進みそもそも求人倍率の低い地域でした。新たな成長産業が生まれなければ、復旧・復興事業が一巡した後労働需要が恒常的に不足する地域に戻ってしまうことになりかねません。被災地における持続的な雇用創出のためには、復興後を見据えた戦略的な産業政策を立案するとともに、新たな産業構造に対応できる人材を育成する対策を講じていくことが必要であると考えられています。(4)住宅再建の状況 住宅再建への動きも遅れています。東日本大震災で住宅が被害を受け、被災者生活再建支援金を受け取った世帯のうち、再建のめどが立って追加の支援金(加算支援金)を申請した件数は、震災から2年近くたっても岩手、宮城、福島3県で全体の48%にとどまっていることが明らかになっています(西日本新聞2012年3月11日)。 被災者生活再建支援金は2段階の構成になっており、大規模半壊以上でまず最大100万円の「基礎支援金」が支払われます。さらに住宅を新築・補修するなどの場合に最大200万円の「加算支援金」が支払われますが、これは建設業者などとの契約後に支払われるため、住宅再建が進んでいるかどうかを示す指標にもなっています(被災者支援の仕組みに関する詳しい説明は、第3章を参照して下さい)。 基礎支援金の件数全体に占める加算支援金の件数の割合は、県別で岩手25%(5,844件)、宮城51%(64,484件)、福島52%(14,585件)となっています(岩手・福島は申請数ベース、宮城は受給数ベースの値、岩手・宮城は2013年1月末現在、福島は2月末現在)。このような遅れが生じている背景evaluation use only ese only evaluation usaluation use only eva only evaluation use oation use only evalua

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