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17………りますし、高齢者だけが住むシルバータウンとなる可能性も否定できません。どのようにして仕事とセットにして新しい町を作るかということも大きな課題となっています(原子力災害からの復興に関する詳しい説明は、第5章を参照して下さい)。(5)学校施設の復旧状況 津波や原子力災害で校舎が使えなくなった公立小中高校は岩手、宮城、福島3県で173校に上りましたが、2012年現在においても仮設や間借りの校舎で授業を行う学校が7割を超えています(河北新報2012年4月6日)。市町村別で仮設や間借りの校舎が多いのは石巻市の15校、仙台市の13校、南相馬市の10校などとなっており、宮城県内では51校が被災前とは異なる学校で授業を行い、元の校舎で授業を再開する学校は4校だけとなっています。また原発事故の警戒・避難区域にある15小中学校のうち12校は臨時休校が継続しています。 被災地における学校の復旧が進まない要因として、黒川(2012:6)は次のような問題を指摘しています。被災した学校の敷地に新校舎を建設した場合には津波による再被害が懸念されますが、学校を移転する場合財源や移転用地の確保が課題となります。また、地域コミュニティの中心である学校を移転した場合は住民が元の地域に戻りづらくなる可能性があるなど、地域復興に大きく影響を与える可能性があります。さらに、被災した自治体の中には、学校復旧計画と同時に、少子化等を背景に将来的な課題となっていた学校統廃合計画が浮上しているところもあり、統廃合を検討する自治体とこれに反対する住民との間での合意が課題となっています(被災地での学校の果たす役割や学校再建の課題について、詳しくは第8章を参照してください)。 以上の東日本大震災における復興の状況から、大規模災害が実際に発生した場合に「人間の復興」を実現するためには多くの課題があることがわかります。一方で今後の大規模災害に備えるため、過去の災害復興の経験から学び、それを今後に活かすための取り組みも進められています。その事例として「災害復興基本法案」を次に紹介します。evaluation use only ese only evaluation usaluation use only eva only evaluation use oation use only evalua

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