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……18序 論「復興」のあり方を問う3.これからの災害復興のあり方―「災害復興基本法案」における復興の理念 1節では福田徳三の「人間の復興」論が再評価を受けているということを述べましたが、具体的には「関西学院大学災害復興制度研究所」が中心となって、彼の思想の再評価が進んできました。そしてこれを今後の災害復興に活かすための具体的な取り組みとして、同研究所は2009年に「災害復興基本法案」を提言しました。 この法案は、次のような特徴を持っています。まず被災実態と現行法制との乖離を雲仙普賢岳噴火災害(1991)以降の事例から洗い出し、復興支援に必要な最小公倍数としての「七つの配慮」を指摘します。さらに「七つの配慮」だけでは、言い足りていない重要な原則を加えて「三つの尊重と十の配慮事項」に発展させ、一つひとつについて主張論拠を記述、法的な考察を加えています。そしてこの内の「七つの配慮」が、災害復興に係る思想・理念を表すと考えられます。そこでその内容を具体的に見て行きましょう。①被災地の自決権に配慮せよ 被災地の自決権とは、被災者の自己決定権の集合体である集団的権利であり、(多数の非被災者に対する)少数者としての被災地・被災者の基本的人権、生存権、幸福追求権を守ろうという考えに基づいています。 被災地の復興方針は、基本的に地方自身が決めるべきだと考えられます。その地域を襲った自然災害の怖さは、そこに住む人々が一番良く知っているからです。そして、どのように被災地を再生させたらよいかは、そこで地域を治めてきた自治体と、その構成員である住民が一番良くわかっているはずです。なぜなら、その地域の風土、歴史、思想、文化、コミュニティを最もよく知っているからです。またこれを実現するために、復興財源は使途の限定されてない復興交付金のような形でまとめて交付され、被災地が復興ビジョンに従って、復興を進めていく「分権復興」の実現をめざす必要があるでしょう。evaluation use only ese only evaluation usaluation use only eva only evaluation use oation use only evalua

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