出版物のご案内 :: 山形大学出版会
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21………転じるとは期待できません。右肩上がりの高度経済成長時代とは発想が異なり、成熟社会にふさわしい時代の社会づくりにつながる復興指標や仕組みを構築する必要があります。自然や景観に配慮した街、高齢者ら社会的弱者に優しい街、自然エネルギーを創り出す街など、住民の総意によってさまざまな価値観を復興の指標とする発想の転換が求められることになります。 ここまで福田徳三が主張した「人間の復興」という思想と、それを通してみた災害復興の現状に関する評価、および今後のあり方に関する理念を見て来ました。「人間の復興」を実現するためには多面的な取り組みが必要であり、本書の中でもこれからさまざまな形で触れられると思います。そこで本章の残りの部分では、福田が「人間の復興」のために特に重視した「営生機会」すなわち雇用機会の復興という問題に絞り、これに関する新たな取り組みとしての「キャッシュ・フォー・ワーク」と「社会的企業」について見ていきましょう。4.雇用の復興への取り組み―キャッシュ・フォー・ワークと社会的企業(1)キャッシュ・フォー・ワーク キャッシュ・フォー・ワーク(Cash for Work、CFW)という言葉は、「自然災害や紛争などの被災地において、その復旧・復興のために被災者自身が自ら働いて関与し、その労働に対して対価が支払われることで、被災者の生活を支援する手法」(永松2011:6)という意味を持っています。通常被災者支援の手法としては義援金などの無条件の資金提供が用いられますが、CFWには無償の義援金にはない次のような利点があると考えられています。①被災者に誇りを与える:自らが働いてお金を得るということが、人間としての尊厳の回復に繋がる。②被災者に生きがいや希望を与える:労働は単に収入を得るためだけのもevaluation use only ese only evaluation usaluation use only eva only evaluation use oation use only evalua

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