出版物のご案内 :: 山形大学出版会
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009ボ紛争に対する空爆を背景に、コソボに平和維持軍を派遣するためのアメリカとロシアの交渉を、アメリカのタルボット、ロシアのチェルノムイルジン、仲介者となったフィンランドのアハティサーリの3人の独白をつないだものである。当事者であるセルビアのミロシェビッチの声は、アハティサーリ、タルボット、チェルノムイルジンの3人によって語られるのみである。一般的には、ロシアがNATO軍だけで編成される平和維持軍の派遣に反対したと言われているが、この証言を見る限りロシアはこの紛争に関わることに消極的であり、むしろ引きずり込まれたという印象である。国際政治における従来の見解を覆すものであり、国際政治の資料としても貴重な映像であろう。*   *   * 映像は、まぎれもなく「かつてあった」事実の記録であるけれども、それとともに撮影・製作者の心情や価値観の浸透を受けてもいるものだ。それに、ドキュメンタリー・フィルムが、いつも同時代に取材しているとは限らない。それまで知られていなかった過去の発掘や問題の解明、あるいは懐旧を主題とする作品も少なくない。 だがそれらもまた、現在を耐え抜き、意味づけ、理解しようとする試みに根ざしているとするならば、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリーに所蔵されている映像は、単にこの25年間の事実の記録というだけでなく、この時代を生きてきた(撮影の対象のみならず撮影者も含む)人々の認識と心境の記録でもあるだろう。本書が、ライブラリー所蔵フィルムの歴史的な価値を再認するきっかけとなれば、幸いである。 2013年6月 編者一同evaluation use only ese only evaluation usaluation use only eva only evaluation use oation use only evalua

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