出版物のご案内 :: 山形大学出版会
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7第1部 1学生の特徴本学で発生した不祥事事案の調査からわかった事 平成22年度から24年度の3年間に不祥事を起こした学生15人については、詳細な記録が残っていた。これらを丹念に調べたところ、13人(約9割)に「規範意識の未熟さ」が見られた(第2章Ⅱ)。これは規範意識が欠如しているのではなく、幼い、あるいは育っていないという意味である。たとえば、人の物を盗むと逮捕されることは知っているが、自分だけは逮捕されることはないと信じて疑わないなど、まるで幼子のような考え方を持つ学生がいた。 15人の記録の中には成績情報も含まれていた。これを調べたところ、成績低迷の学生もいれば好成績の学生もおり、成績と不祥事との関係性は無いことがわかった(第2章Ⅱ)。このことは、「成績が良い学生は不祥事を起こさない」という考えが成り立たないことを意味する。 次に、なぜ平成24年度に不祥事が多発したのか、なぜ本学に集中したのかを検討した(第4章Ⅴ)。これは、プロジェクト発足当初、なぜ山形大学で多発したのか、なぜ平成24年度に集中したのかという疑問があったためである。山形県の犯罪状況と言った地域的要因や、最近に至る時代背景の推移など、その時点で可能な限りの多種多様な情報を収集し、様々な角度から分析した。ところが、手がかりは何も見つからなかった。いくら調査・分析しても「手がかりが無い」ということの意味を考えたところ、次のようなことではないかと考えた。今回の不祥事は、本学に限定されるものではなく、他大学でも起きうることだった。時期に関しても、平成24年度に限定されるものではなく、いつでも起こりうるものだった。学生不祥事がいつどこで起きても不思議ではない下地があり、それが何らかのきっかけで連鎖的に表面化した。 この事を検証するためには、不祥事を起こした学生だけではなく、大学生全体の調査をする必要がある。こうしたことから、本学の在学生全体の特徴を調べることとした。本学の学生全体に関してわかった事 プロジェクトチームでは、平成25年度の全在学生に対する大規模なアンケート調査を実施した。このほか、本学学生が居住するアパート等の大家さんや学生がよく利用する旅行などのサービス事業者など、学生と日々接している方々に学生の状況をヒアリングした。 アンケート調査の結果、授業出席状況や日常生活の規則正しさの面で全体的に勤勉さが見られ、多くの学生が積極的な学生生活を送っていることが判明した(第3章Ⅲ9)。また、規範意識は高い方であり(第3章Ⅲ7)、素直さが見られる(第3章Ⅱ2)ことが判明した。 しかし、ヒアリング調査においては、規範意識を含む社会性発達の個人差が大きくなってきたことがわかってきた(第3章Ⅱ3)。自分の興味・関心を主体的に行動に移し、経験したことを他者に積極的に伝えるといった学生が以前よりも多くなった(第3章Ⅱ1)。こうした学生は規範意識が高いだけではなく、社会性が発達した学生だと考えられる。一方、次の例のように社会性がかなり未熟な学生も一部に存在することがわかった。これらのことから、社会性発達の個人差が拡大してきたことがうかがえる。 ・何度注意してもアパートのゴミ出しルールを守らない(第3章Ⅱ1)。 ・自転車でぶつかりそうになっても平気で突っ込んでくる(第5章Ⅰ4)。 ・都合の悪い事に関しては、どんなに連絡を取っても返事しない(第3章Ⅱ1)。 ・失敗を極度に恐れる(第3章Ⅳ2) ・強い人見知り(第5章Ⅱ2)evaluation use only ev valuation use only evaaluation use only evalaluation use only evaluluation use only evaluauation use only evalua

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