出版物のご案内 :: 山形大学出版会
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81.高校と大学の違い 高校までと大学とでは「学び」の内容が違うことから、入学直後は戸惑う人も多いのではないかと思います。高校まで「生徒」だったのに、大学では「学生」と呼ばれるようになりますが、これも「学び」の内容変化と関連しています。「生徒」には教育を受ける者という受け身のニュアンスが強いのに対し、「学生」は主体的に学ぶ存在という意味が込められているからです。 また大学での学びについて、最近では「学習」より「学修」という用語が使われることが多くなりました。「学習」は与えられた知識を理解し覚えるという意味が強いのに対し、「学修」では自ら学問を学び修めるという主体的なかかわりが重視されています。 高校まではどうしても大学受験を突破することが最大の目標になり、教科書や授業で与えられた知識を覚えることが最優先されます。もちろん、知識を理解し覚えることは大学でも大切です。しかし、学問の本来の目的は、新しい課題を見つけそれに取り組むことを通じ、問題を解決したり、新たな発見や発明などの成果を達成することにあります。知識を覚えるのはそのための前提・手段に過ぎません。 課題の発見や探求が重要なのは学問研究だけではありません。企業も国や地方自治体も、社会経済の発展・変動や消費者・住民の意識やニーズの変化に対応するために、絶えず新しい課題に取組み、それを解決することを迫られています。新製品の販売や開発も、新しい政策や行政サービスの登場もそのような課題の発見・探求の結果初めて可能になるのです。2.アクティブ・ラーニング(能動的学修)への取組み 課題の発見・探求の能力を高めるために、大学の授業では学生諸君の能動的な学修への取組みを重視しています。たとえば、講義形式の授業でしばしば学生諸君にレポートの提出を求めることがありますが、これは学生諸君に能動的な学修への参加を促すためのものです。 しばしば新入生諸君から「授業でレポートを提出するように言われたが、高校ではレポートというものがなかったので、書き方がわかりません」という相談を受けることがあります。レポートとは日本語では「報告」あるいは「報告書」を指しています。自らテーマを設定し、資料収集や調査・分析・考察を行い、その大学における学び1.

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