ブックタイトル出会う。| 山形大学 大学案内 2019

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概要

出会う。| 山形大学 大学案内 2019

バイオサイエンスコース■学べる主な分野植物遺伝・育種学作物の重要形質の遺伝機作の解明と形質等の改良、ならびに作物を中心とする植物の進化と多様性の研究を行っています。野生種を含む世界のコムギ遺伝資源を用いて、コムギの栽培化やムギ類の進化と多様性を解明するとともに、優れた製パン性や環境適応性などをもたらす有用遺伝子の探索を行っています。さらに、山形県の県花であるベニバナの進化や花色遺伝子に関する研究、トウガラシの果実色と辛味成分に関する遺伝育種学的研究を行っています。また、山形県で育成された極良食味水稲品種「つや姫」や、良食味エダマメ系統「ダダチャマメ」を研究対象として、生産性や食味を司る遺伝子を単離し、それら遺伝子の機能を解明するとともに、得られた有用遺伝子を用いた新品種の開発研究を行っています。生物有機化学薬用植物を含む山野草やキノコ、海産動植物を研究対象とし、それらに含まれる植物間、植物と微生物間などに深く関わる生理活性物質の探索と構造活性相関を研究しています。また、植物が身を守るためにつくる防御物質、それを克服する植食性昆虫の対抗適応、昆虫の行動をコントロールするフェロモンなどの研究を行っています。このような化学物質の構造、生合成、代謝経路を調べることで、有用な生理活性物質の発見や生物の多様な生存戦略の解明を目指しています。有機化合物の構造の決定には主に600MHzの高分解能核磁気共鳴スペクトル装置(NMR)やUPLC質量分析装置(MS)などを用いています。農産物生理化学農産物には、栄養にかかわる一次機能、嗜好にかかわる二次機能、健康の保持と増進にかかわる三次機能の3つの機能があります。これらの農産物の機能にかかわる成分の収穫後変化とそのメカニズムについて、生物的、化学的ならびに生理学的な研究を行っています。また、メタボローム解析により、生物に含まれるアミノ酸やフラボノイドといった代謝物の種類や量を網羅的に把握することで、代謝物の移動や局在、有用代謝物の生合成や分解の経路、生命現象に関する代謝物の動態等を解明することを目指しています。そして最終的には、それらの成果を基礎として、それぞれの農産物に適した追熟、貯蔵、流通技術などの収穫後管理技術を確立するための研究を行っています。植物遺伝資源学我が国の作物の在来品種は亜寒帯から亜熱帯まで多様な環境の中で育まれてきました。それらの中には、農業形質や伝統的な栽培方法、食味、品種にまつわる歴史や文化などの観点から、後世に残すべき価値あるものが数多く存在しています。しかしながら在来品種は生産性の高い商業品種に置き換わり、栽培者の高齢化と後継者不足から次第に消えゆきつつあります。生きた文化財ともいえる在来品種を多面的に再評価し、保存・継承・利用を考えることは、地域資源の掘り起こしと地域の活性化にもつながります。現在、山形県内外の在来品種や山菜を対象に、フィールドワーク(現場での見聞、圃場での栽培)、文献調査、遺伝的類縁関係の解明、食味成分の分析など、学際的な調査研究を行っています。植物栄養学・土壌学植物栄養学グループでは、アーバスキュラー菌根菌やエンドファイト菌類の土壌からの分離・同定、植物生育への影響、及びこれらの省肥料や荒廃地の修復への利用、リン資源枯渇へ対応するための植物の低リン耐性機構の解明、低リン耐性植物の作出及び有機態リン酸の利用に関して、細胞から地球規模までの教育と研究を行っています。土壌学グループでは、水田、畑、森林、湿地などの各種植物・土壌生態系から放出される強力な温室効果ガスのメタンと亜酸化窒素の生成メカニズムと削減対策、土地利用変化はどのように土壌中の炭素・窒素の動態変動に影響を与えるか安定同位体測定法などを用いて研究しています。また、有機農業の栽培技術および有機農業と地球環境の相互関係とその応用研究も行なっています。微生物資源利用学原核生物(以下微生物とします)は現在までに1万種ほど発見されています。これらの微生物には、微生物肥料や微生物農薬など農作物の収量増加に繋がるものや、抗生物質など医薬品生産、メタン発酵など環境浄化を担うもの等、有用な微生物も含まれます。一方で、地球上には100万種以上の微生物種が存在するとも推定されています。これは、99%以上の微生物が依然として未知・未利用であることを意味しており、その潜在能力は計り知れません。微生物資源利用学分野では、月山湿原泥炭や野生植物等に生息する未知・未培養・未利用微生物を研究対象とし、各種培養手法(嫌気培養・好気培養)や遺伝子工学的手法を駆使して、これらの微生物の探索・取得・生理生態の解明や、有効利用化を目指しています。120