先端学習ラボ:『未来学へのアプローチT』第7回授業を開催
[授 業]
日 時:平成21年5月29日(金)14時40分から16時10分まで
授 業 名:「格差問題をふまえて未来を創る」
〜「所得、教育、幸せ希望の格差の再生産と拡大」〜
担当教員:杉原真晃 准教授
講 義 室:先端学習ラボ(Leading Learning Laboratory :L3キューブ)
出席学生:24名
[授業概要]
本授業は「未来学へのアプローチT」の第7回目。
杉原真晃准教授による「格差問題をふまえて未来を創る」の第2回目にあたる。
「未来学へのアプローチT」では、都市問題(佐藤慎也教授)・格差問題(杉原真晃准教授)
・環境問題(栗山恭直准教授)が、それぞれのテーマを3名の授業者が担当する。
本授業が行われる「先端学習ラボ(Leading Learning Laboratory:L3キューブ)」では、
4画面のプロジェクターが設置され、20台のノート型コンピュータが整備されている。
最先端の情報機器や、可動式の机が整備された教室環境で行われる授業である。
参観者:学内参観者、佐藤慎也教授、栗山恭直准教授、
佐藤千恵(山形大学高等教育研究企画センター事務補佐員)、安部高太朗(地域教育文化学部2年生)
学外参観者:斉藤浩明(内田洋行),二瓶奈々絵(内田洋行)2名の合計6名
[授 業]
本日のテーマは、「能力、意欲、希望の格差をどう考える?」である。
冒頭において、先端学習ラボにおけるネット環境や先進機器、に馴染むための時間が設けられた。
今回は、「クリッカー」や「電子黒板」、「コラボノート」を試験的に使った。
杉原真晃准教授からは、IT機器の新たな利用可能性がどうあるかを学生に尋ね場面もあった。
学生との遣り取りから、遊びながら、馴染み、教員の目線では思いつかない
IT機器の新たな利用方法が生まれることが期待されている。
本授業では、学生が、授業前に指定された文献を読み、パワーポイントに纏めて
提出するという授業外学習と、そこで学んだことを授業のグループワークで共有する。
そしてまた、次の新たなテーマについて授業外学習を行い、
授業で共有するというスパイラルを描き、高めていくという特徴を持つ。
その為、授業外学習がこの授業において重要な役割を占めることや
グループワークの活性化、理解の深化に及ぼす影響等について説明があった。
導入で、受講学生と同年代のミュージシャン(絢香)が、
「社会へメッセージを発することの困難さ」を伝えるドキュメンタリー映像を視聴する時間を10分程度設けた。
これは「学生自身の持つ力を存分に引き出せるよう、遠慮せず発信できるよう」との含意がある。
[15:00〜15:10 1分間プレゼンテーション]
5つのグループに別れ、テーマである、「能力、意欲、希望の格差をどう考える?」についての
「1分間プレゼンテーション」が行われた。
杉原真晃准教授より、「1分間プレゼンテーション」での配慮すべき、
心がけるべき点、メモを取るススメ等、適宜、指導があった。
学生が、1分間で自分の考えを整理してまとめるようにとの狙いがある。
[15:10〜15:40 グループワーク]
その後杉原真晃准教授より、学生が見落としがちなポイント、参考文献の要点をまとめた。
その上で、この1分間プレゼンテーションを踏まえて、理想の「高校教育」について、
以下、3点に基づいて、ディスカッションが行われた。
学生には、ワークシートが1人1枚ずつ配布され、グループワークで得られた知見を書き込んだ。
(1)教育目標(育つ子供像、身につく力)
(2)教育制度、教育内容、教育方法
(3)背景(何故、その教育が必要なのかについての理由)
[15:40〜16:00グループ間での発表]
学生各自がワークシートに記入した上、再度、異なるメンバーとグループを作り、最初のグループで行われたディスカッション内容を共有し、議論を深めた。
(1人の持ち時間3分。発表2分、質疑応答1分。)
[次回までの課題]
・「次回のテーマ:「人間関係偏重の諸問題−やさし、弱さ、いじめ−」について、参考文献を読み、自分なりの考えをまとめる。
・まとめた考えをパワーポイントファイルで表現する。
(1分間プレゼンテーション用)
[16:00〜16:10 来週に向けての連絡]
・パワーポイントファイルは、前日に添付ファイルで杉原真晃准教授へと提出すること。
[次回のテーマに関する参照文献]
LMS(Black
Board)に掲載する資料
土井隆義『友だち地獄−「空気を読む」世代のサバイバル』ちくま新書,2008年(「はじめに」「1章」)
[その他の参照文献]
大平 健『やさしさの精神病理』岩波新書,1995年
土井健郎・渡部昇一『「いじめ」の構造』PHP研究所,2008年
齋藤環『社会的ひきこもり−終わらない思春期−』PHP新書,1998年
実際の授業の様子についてはこちらをご覧下さい。
[懇 談 会]
今回は開催せず。