【授業概要】
・テーマ
この授業では、「物語」をテーマとして、文化解釈学コースの四領域(文学、芸術、表象、哲学)から各一名の教員が順番に講義を担当し、それぞれの専門性 を生かしたアプローチを試みます。一つのテーマに対し、さまざまな題材や切り口から考察することで、コース全体に通底する問題意識と、各分野ならではの視点や分析手法を明らかにします。今後、自分の関心をさらに発展させるための土台をつくることが目的です。
・到達目標
文学、芸術文化論、表象文化論、哲学であつかわれる基本的な用語や方法を理解し、それをレポートとして表現できる。
・キーワード
物語 日本文学 古典文学 時間表現 詩画論 芸術家伝説 イメージの倫理 歴史と記憶 表象(不)可能性 歴史 人格 フィクション
【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
四分野から各一名の担当教員が順番に「物語」をテーマに講義します。
・日程
第1回 ガイダンス(授業の進め方と評価) 担当:石澤 〔第2~4回 〈文学〉 担当:宮腰〕 第2回 『源氏物語』の成立と読者たち―本当に全部物語を読み終えられた? 第3回 『源氏物語』の注釈と抜書―物語に学ぶ、物語で学ぶ 第4回 『源氏物語』とお伽草子―物語から物語をつくる 〔第5~7回 〈芸術〉 担当:石澤〕 第5回 どのようにして絵のなかで時間を表すのか ― 物語の方法 第6回 詩は絵のように ― テキストとイメージの関係 第7回 本当に画家は変人だったのか? ― 芸術家伝説の誕生 〔第8~10回 〈表象〉 担当:柿並〕 第8回 「誰」が物語るのか?:神話から現代社会へ 第9回 ミュージックPVの物語と死角:歴史は何を「抑圧」するか 第10回 「出来事」は語ることができるか 〔第11~13回 〈哲学〉 担当:清塚〕 第11回 歴史の物語 第12回 物語を生きること 第13回 フィクションを物語ること 第14・15回 まとめ(質問、課題の確認など)
【学習の方法】
・受講のあり方
講義をよく聞き、配付資料を参考にしながら、丁寧にノートをとるよう心がけてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
配布資料やノートを確認し、理解を深めてください。
【成績の評価】
・基準
授業への取り組み(平常点)と期末レポートにより、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いを判定します。基準は、1)文学、芸術文化論、表象文化論、哲学であつかわれる基本的な用語や方法を理解することができる、2)修得した知識をもとに、自分の考えを論理的に展開することができる、の二点です。
・方法
平常点(50%)、レポート(50%) 平常点とレポートにより、授業に対する意欲と理解度をみます。 - 平常点について:原則的に授業中の態度と毎回の出欠確認により採点します。なお、出席回数が 全体の3分の2に満たない学生は、レポート提出の有無にかかわらず、不合格とします。 - レポートについて:4人の担当者からそれぞれ一問ずつ課題が出されるので、それらから自分の関心にしたがって一つを選択し、レポートを作成してください(2000字以上)。
【テキスト・参考書】
テキストは指定せず、プリント資料を配付します。以下は各分野の参考書です。 〔文学〕島内景二『源氏物語ものがたり』(新潮新書、2008年)、三田村雅子『記憶の中の源氏物語』(新潮社、2008年) 〔芸術〕新関公子監修『イメージとテキスト』ブリュッケ、エルンスト・クリス - オットー・クルツ『芸術家伝説』ぺりかん社 〔表象〕岡真理『記憶/物語』、その他は授業中に指示する 〔哲学〕野家啓一『物語の哲学』岩波現代文庫、A・マッキンタイアー『美徳なき時代』みすず書房、清塚邦彦『フィクションの哲学』勁草書房
【その他】
・オフィス・アワー
宮腰:火曜日 16:30~17:30 / 石澤:金曜日 16:20~17:50 / 柿並:開講時に指示 / 清塚:金曜日 14:50~16:20
|