【授業概要】
・テーマ
人間行動が社会的な状況によっていかに規定されているか、また個人の行動がいかに社会的な現象をつくりだしているかを、実証的な研究知見をまじえて考察します。社会心理学の知見を概観することで、基礎知識を得るとともに、社会行動を理解する視点を養います。
・到達目標
(1)社会行動を理解するための心理学的な知識と理論的枠組みを身につけること。 (2)新たな研究課題を設定するために、既存の知見を批判的に検討できるようになること。 (3)現実社会の問題を、社会心理学的な観点から解釈できるようになること。
【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
プロジェクタで資料を提示しながら講義を進めます。そのため体系的な板書は行いません。必要に応じて資料を配布します。また特別加点課題として、授業中もしくは授業時間外に行われる心理学実験や調査への参加をお願いすることがあります。
・日程
次のような話題をとりあげる予定です。 ○対人行動:対人魅力、援助と利他主義、攻撃と暴力、社会的交換 ○社会的影響:同調、服従、公正 ○社会的認知:ステレオタイプ、認知的不協和、社会的推論のあやまり ○文化:文化的自己観
【学習の方法】
・受講のあり方
話を聞きながら必要だと思うことは自らノートをとるようにしてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業内容の理解を定着させるため、下に挙げた参考書をいくつか読むことをおすすめします。また特定のテーマに関する参考書が必要なときは、気軽に相談してください。
【成績の評価】
・基準
人文学部の成績評価ガイドラインにもとづき、主体的な参加の度合い、知識の修得の度合い、理解の度合い、汎用的技能の修得の度合いの4点から成績評価を行います。とくに、知識修得と理解の度合いに関しては、授業概要(到達目標)の(1)を中心に、社会心理学的な人間理解が深まったかどうかを次の3つの観点から評価します。 (a)授業で取りあげた基本的な概念が理解できているか。 (b)概念どうしの関係性や相違点を理解できているか。 (c)個別の研究結果から示唆されることを理解できているか。
・方法
○学期末試験 [90点] 持ち込み不可の筆記試験を行います。出題形式は穴埋めを中心に、正誤判断や語句記入などで論述問題は出題しません。 ○ミニットペーパー [10点] 授業時に出される質問に回答を書いて提出します。提出回数に応じて、10点を上限として試験得点に加点します。毎回書いてもらうとは限りません。 ○特別加点課題 [10点] 授業時間中か授業時間外に行われる心理学実験や調査への参加をお願いすることがあります。これに参加すると全体で10点を上限として試験得点に加算します。特別加点課題は必ず実施されるとは限りませんが、出席をとることは意図していないので、実施が決まったらできるだけ事前に連絡します。また、これへの参加は任意です(そのため学期末試験とミニットペーパーだけで100点を獲得できるようになっています)。
【テキスト・参考書】
教科書は使用しません。参考書の詳細な紹介は初回の授業時に行いますが、以下にその一部を挙げます。 (1)亀田達也・村田光二 (2010). 複雑さに挑む社会心理学 [改訂版]:適応エージェントとしての人間 有斐閣アルマ 1,995円 (2)池田謙一・唐沢 穣・工藤恵理子・村本由紀子 (2010). 社会心理学 有斐閣 3,360円 (3)山田一成・北村英哉・結城雅樹 [編著] (2007) よくわかる社会心理学 ミネルヴァ書房 2,500円 (4)北村英哉・大坪庸介 (2012). 進化と感情から解き明かす社会心理学 有斐閣アルマ 1,995円
【その他】
・学生へのメッセージ
初回の授業で履修上のお約束を示します。履修登録はこのお約束に同意できる場合にのみ行ってください。また、履修に際して予備知識はまったく必要ありません。
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