【授業概要】
・テーマ
英語学の諸分野を学習し、文法的側面の理解や分析のために必要な基礎概念を習得する。 英語ということばを研究の対象とするのが英語学という研究分野ですが、さらに様々な下位分野があります。本授業では、①音声学・音韻論、②形態論、③統語論、④意味論の4つの下位分野を概観して、英語の各側面の文法規則を学習するとともに、文法の理解と分析に有効な基礎概念を習得します。
・到達目標
英語の音声学・音韻論、形態論、統語論、意味論の基礎的な概念と分析手法を習得することによって、言語表現の可否を文法をよりどころにして判断・説明できる。
【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
講義形式の授業です。教員が準備するハンドアウト(講義資料)に基づいて、トピックごとに実例や用法等を見ながら、基礎的な概念と分析法を考察します。
・日程
おおむね次の予定で授業を進めます: 1: イントロ(文法研究の目的)、音1(子音の体系、接尾辞-edの発音ルール) 2: 音2(音節、聞こえ度の尺度に基づく音節の数えあげ) 3: 音3(音節の構造、分綴、強勢移動のルール) 4: 語形成1(派生語の基本ルール:内心構造、右側主要部規則) 5: 語形成2(派生語間での意味の継承とゼロ派生の文法特性) 6: 語形成3(動詞由来の名詞の特性:副詞が名詞を修飾することがある) 7: 統語1(文法規則と構造の関係:want to → wannaの可否など) 8: 統語2(文の構造:do soによる置換、名詞句の内部構造: oneによる置換) 9: 統語3(移動現象: 移動の可否に関するルール、主語と目的語の非対称性) 10: 統語4(二次述語の文法:They ran their Nikes threadbare.など) 11: 意味1(再帰形・相互形と先行詞の指示関係: 統語構造に基づく束縛関係) 12: 意味2(不定詞の意味上の主語:promise/persuade, appeal/appearなど) 13: 意味3(数量詞の文法:there構文や特定性条件) 14: 意味4(数量詞の解釈: 数量詞同士の相互作用、appear型不定詞節の特性等) 15: まとめ(文法研究の目的と分析にあたっての観点・手法)、試験
【学習の方法】
・受講のあり方
英語の諸側面の文法特性を資料と板書により提示・説明しますので、その文法現象とその背後にあるルールとの相関を理解するよう努めてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
(予習)毎回の授業内容に継続性があり、前回までの授業内容のうえに次の授業内容が成り立つ関係にあるので、前回の授業内容を確認して授業に臨むことが大切です。また、宿題(授業内容確認)と課題(応用問題)を設けますので、取り組んだうえで授業に臨んでください。 (復習)授業内容を再確認してください。疑問点などは翌授業時に質問するなどして早い段階で解決しましょう。
【成績の評価】
・基準
知識の習得の度合い、理解の度合い、汎用的技能の度合い、主体的参加の度合いの4点について、授業内容に関する宿題(内容理解)と課題(応用問題)、および、期末試験により、評価を行います。 基準は次の通り:知識〔基本的概念を習得したか〕、理解〔授業で取り上げた事例を分析・判断できるか〕、汎用的技能〔実際の用例において分析・判断できるか〕、主体的参加〔応用問題に応用できるか〕。
・方法
宿題(25点)、課題(25点)、期末試験(50点)の合計による。 なお、出席が10回以下の場合、60点未満の成績になります。
【テキスト・参考書】
テキストなし。
【その他】
・オフィス・アワー
1年間を通して火曜日16:30-17:50 富澤研究室
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