文学概論
 Introduction to Literature
 担当教員:森岡卓司(MORIOKA Takashi),西上勝(NISHIGAMI Masaru),相沢直樹(AIZAWA Naoki)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
本講義は、日本・中国・欧米の「文学」から、それらに共通するテーマを選び出して、「文学」の本質に迫ろうとする授業です。とは言え、限られた時間のなかで、そうした問題をすべて扱うことはもとより不可能なので、今年度は「引用」という観点から文学を概観します。
・到達目標
国や時代の異なる表現の特質を学ぶことで、人間にとって「文学」とは何であるのかを考え、「読むこと」の意味を対象化できる能力を身につけます。

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
3人の担当教員が、下記のような日程のリレー式で講義を進めます。担当教員ごとの選択制ではありませんので、すべての授業に出席してください。初回と第14回は、担当教員全員が参加します。なお、出欠に関してはカードリーダーを使用しますので、学生証を忘れずに持参してください。また、都合により、日本・中国・欧米の順序については変更がありえますので、ご注意ください(その際は初回の授業にて連絡いたします)。
・日程
第1回 オリエンテーション(担当教員全員)
第2〜5回 引用の作法(相沢 直樹)
バーバ・ヤガーはマトリョーシカの夢を見るか,あるいは「紋中紋」
「薔薇を摘め」と《カルペ・ディエム》の系譜
「いのち短し恋せよ少女」の輪廻転生
ヤナーチェクの『トルストイの『クロイツェル・ソナタ』を読んで』を聴いて
第6~9回 漢語文化圏の文学と引用(西上 勝)
「臨書」を発端として、引用の意義と限界を考える
詩における模擬の価値
伝記叙述の様式とそのパロディー
張愛玲の都市小説が旧小説から受け継いだもの
第10~13回 〈純粋引用〉の修辞学(森岡卓司)
日本近代文学と引用論 何が問題になるのか
架空の引用(1) 村上春樹「風の歌を聴け」
架空の引用(2) 芥川龍之介「奉教人の死」、谷崎潤一郎「春琴抄」
自己引用 太宰治「人間失格」
第14回 まとめの討論(担当教員全員および受講生による意見交換)
第15回 レポート作成(場所は各自任意の場所とする)

【学習の方法】
・受講のあり方
各担当者から配付される資料を参考にして、重要事項をノートにとってください。2/3以上の出席を求めます。疑問点は授業中やオフィスアワーでどんどん質問してください。
・授業時間外学習へのアドバイス
各担当者から担当分の授業が終わった時点で、レポートに関する指示があります。その指示に従ってレポートを提出してください。

【成績の評価】
・基準
主体的な参加の度合い、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理性、表現力)に関して総合的に判断します。3人の講義それぞれについては、自分なりの要約と簡単なコメントを付し、A4用紙1枚(1000字程度)にまとめたレポートを提出してもらいます。提出要領の詳細は、授業中に各担当者まで確認してください。3分の2以上の出席を要求します。
・方法
授業時平常点(質問用紙)10点、レポート点90点
(レポートは各担当教員分3部をそれぞれ提出してもらいます。また、これらとは別に第14回のための質問を募集しますので、積極的にお寄せください。内容により、平常点に加味する場合があります。)

【テキスト・参考書】
テキストは指定せずプリント資料を配布します。
参考書は講義中に適宜紹介いたします。

【その他】
・オフィス・アワー
相沢 火曜日(12時10分から12時50分)&金曜日(12時10分から12時50分)
西上 月曜日13時〜14時30分、西上研究室。その他、在室時は随時
森岡 水曜12:30〜14:00

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