英語学特殊講義(後期)
 Topics in English Linguistics
 担当教員:富澤 直人(TOMIZAWA Naoto)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 英語ということばを研究の対象とするのが英語学という研究分野ですが、その中でも統語論に焦点をあてます。
 英語の様々な構文の文法特性を考察して、根本にある文法の仕組みを学習します。また、その過程で、英語と日本語を比較対照的に考察して、ことばの文法の普遍的側面とそうでない側面との区別を学習します。
・到達目標
 英語の諸構文の文法特性を学習することによって、言語表現として許されるものとそうでないものの判別を、文法をよりどころにして行うことができる。また、英語と日本語の文法の対応関係の有無を文法に則って区別できる。

【科目の位置付け】
 学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
 講義形式の授業です。教員が準備するハンドアウト(講義資料)に基づいて、トピックごとに実例や用法等を見ながら、文法の概念と分析法を考察します。
・日程
おおむね次の予定で進めます:
1: イントロ(文法研究の基本的な考え方)、「述語の意味」という見方
2: [promise 人 to不定詞]と[compel 人 to不定詞]:不定詞の意味上の主語の違い
3: [easy to不定詞]と[eager to不定詞]:不定詞の意味上の主語の違い
4: [regard 人 as特性]と[strike 人 as特性]:誰の特性を述べているのか
5: [forget to不定詞]と[forget 動名詞]:意味の違いから、文法の仕組みを考察する
6: [be surprised at]や[be excited about]は受身形か:動詞的受身形と形容詞的受身形の区別
7: 英語学習者がhappen/occur/take placeなどを誤って受身形にする理由を探ってみる
8: 英語と日本語の受身形の相違点:直接受身文と間接受身文
9: 形容詞の叙述用法:動作の[様態]を表す用法と[結果]を表す用法
10: 形容詞の修飾用法:[a beautiful dancer]で美しいのは何か
11: 副詞(wisely, evidentlyなど)の用法:動作の[様態]を表す用法と出来事の[評価]を表す用法
12: 等位構造の文法特徴:「等位構造制約」と疑問詞疑問文・関係節
13: 等位構造の可否([either A or B]表現が可能な組み合わせと不可能な組み合わせ)
14: 英語の関係節と日本語の関係節(連体修飾節)の相違点
15: まとめ(英語の文法の根本的な仕組み、日本語との対比)、試験

【学習の方法】
・受講のあり方
 英語の様々な構文の文法特性を資料と板書により提示・説明しますので、その文法現象とその背後にある根本的なルールとの相関を理解するよう努めてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
(予習)毎回の授業内容に継続性があり、前回までの授業内容のうえに次の授業内容が成り立つ関係にあるので、前回の授業内容を確認して授業に臨むことが大切です。また、宿題(授業内容確認)と課題(応用問題)を設けますので、取り組んだうえで授業に臨んでください。
(復習)授業内容を再確認してください。疑問点などは翌授業時に質問するなどして早い段階で解決しましょう。

【成績の評価】
・基準
 知識の習得の度合い、理解の度合い、汎用的技能の度合い、主体的参加の度合いの4点について、授業内容に関する宿題(内容理解)と課題(応用問題)、および、期末試験により、評価を行います。
 基準は次の通り:知識〔基本的概念を習得したか〕、理解〔授業で取り上げた事例を分析・判断できるか〕、汎用的技能〔実際の用例において分析・判断できるか〕、主体的参加〔応用問題に応用できるか〕。
・方法
 宿題(25点)、課題(25点)、期末試験(50点)の合計による。
なお、出席が10回以下の場合、60点未満の成績になります。

【テキスト・参考書】
テキストなし。
参考書は授業開始時に紹介する。

【その他】
・オフィス・アワー
1年間を通して火曜日16:30-17:50 富澤研究室

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