文化人類学講義(二)
 Lecture on Cultural Anthropology II
 担当教員:松本 雄一(MATSUMOTO Yuichi)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
「ケガレとタブーの人類学」
手で握ったおにぎりは普通に食べることができる私たちも、どんなに清潔で消毒してあっても足で握ったおにぎりは「汚い」と感じ、それを食べることには抵抗を持つでしょう。つまり私たちは、たとえ衛生上問題がなくても、あるものを「汚い」と感じることがあるのです。ではそれはどのような理由に基づいているのでしょうか。なぜ我々は「汚い」物を忌避すべきものだと感じるのでしょうか。そもそも「汚い」とはどういうことなのでしょうか。このテーマを人類学的な視点から考察します。
・到達目標
文化人類学において長く重要なテーマとなり続けている、「ケガレ」と「禁忌(タブー)」の問題を理解する。人類学の古典的名著を理解し、その基礎的な考え方を身につける。

・キーワード
人類学理論、ケガレ、禁忌(タブー)、民族誌

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを用いた講義形式。質疑応答を行う。
・日程
1.ガイダンス
2.祭祀における不浄
3.世俗におけるケガレ
4.聖書と「汚らわしいもの」
5.呪術と奇跡
6.能力と危険
7.体系と境界
8.体系の中の矛盾
9.体系の崩壊と再生
10.まとめ


【学習の方法】
・受講のあり方
漠然と講義を受けるだけでなく、ノートを整理して身近な事例について考えてみてください。また、質疑応答には積極的に参加してください。
・授業時間外学習へのアドバイス
ノートを復習し、参考書を読んで理解を深めるよう努めてください。

【成績の評価】
・基準
人類学におけるケガレと禁忌に関する基礎的な考え方が理解できているかを評価します。知識の習得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)をテストと小レポートで判定し、参加の度合いを小レポートと授業における積極的な参加で判定します。
・方法
期末テスト80%、小レポート20%、さらに授業中の質疑応答への積極的な参加によって加点することがあります。

【テキスト・参考書】
参考書
ダグラス, メアリー 『汚穢と禁忌』(塚本利明 訳) 2009『生き方の人類学』ちくま学芸文庫

【その他】
・オフィス・アワー
松本雄一 木曜日12:50~14:30
オフィス・アワー以外の時間帯での面談を希望する場合はメールで連絡してください。

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