アジア史講義(二)
 Asian History (II)
 担当教員:中村 篤志(NAKAMURA Atsushi)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 本年度は、清朝皇帝の巡幸および宮廷儀礼を中心に、皇帝と王公・官僚との関係性、清朝統治の特質について考察する。
清朝皇帝は頻繁にモンゴル高原へ巡幸した。時には数ヶ月も帝都を不在にし、王公・官僚を従え狩猟や宴会を楽しんだ。皇帝はなぜ巡幸したのだろうか?満洲族が樹立した清朝には、この巡幸のように歴代王朝と異なる独自の制度が存在する。
本講義では、宮廷内・外の様々な儀礼を、そこに参列するモンゴル王公の視点から分析し、併せて他地域の王権の在り方と比較しながら、清朝統治構造の特質について考察していく。
・到達目標
 近世東アジアの歴史的展開、中国王朝の歴史的特徴を理解し、さまざまな時代・地域と比較するなかで、新たな課題を設定する方法を身につける。

【科目の位置付け】
 学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。

【授業計画】
・授業の方法
 基本的には講義形式で行う。プリントを中心に映像資料なども用いる。また受講者との質疑応答も重視する。
・日程
(1)「動く王」の系譜~巡幸をめぐる日中比較
(2)中国における儒教的礼制の成立と展開
(3)清朝宮廷儀礼とモンゴル王公~日記史料の分析から
(4)清朝皇帝のモンゴル巡幸
(5)まとめ~「王」はなぜ動くのか?

【学習の方法】
・受講のあり方
 講義形式でおこなうが、漫然と板書を写すだけでなく、口頭で述べた内容などもメモすること。授業の最後の出席カードに疑問や問題点などを書くなどして、積極的に授業にのぞむこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
 高校世界史レベルの知識は前提として講義するので、必要に応じて各自予習すること。また講義内容をきちんと復習し、不明な点は講義後に質問すること。紹介された専門書を中心に、できるだけ多くの参考文献を読むこと。

【成績の評価】
・基準
 授業に主体的に参加し、講義内容を理解し知識を修得したか、講義内容に即して論理的に思考し、それを文章で表現する力が身に付いたかを、期末のテスト、レポート等で総合的に判定する。
・方法
学期末テストもしくはレポート(70点)、平常点(30点)

【テキスト・参考書】
プリントを配布する。参考書は授業時に適宜紹介する。

【その他】
・オフィス・アワー
火曜日 13時00分~14時40分 中村研究室(人文学部2号館4階)

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