【授業概要】
・テーマ
「中国における女性と文学」 中国の文学で、女性が主体的に文学創作に関わるようになった二十世紀以降を主たる対象として、女性が文学とどのような関わりをもって来たのかを考察する。
・到達目標
中国語圏の文学に関する新たな見方を獲得し、グローバルな観点から文学創作を評価することができる能力を身につける。
【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。
【授業計画】
・授業の方法
中国語圏では女性の生き方をめぐるモチーフがどのように扱われてきているのかを、主として二十世紀の女性作家の手になる小説を対象とし、その解説を通じて理解を深める。二人に教員がプリント資料に基づき、時代を追いながらほぼ下記のような手順で授業を進める。 (1)講義(作家と作品の紹介、解説と質疑応答) (2)リフレクション・ペーパーへの記入(疑問点や意見を記述する。次回の授業の冒頭で注意すべき記載内容について補足と講評を行う)
・日程
主な内容としては、下記のような項目を予定している。 西上担当回=1~7回 1 閨房の麗人;女性の生き方がどう表現されることができたか。 2 男が書いた例として;魯迅(1881-1936)「傷逝」 3 貴婦人の願い;凌淑華(1900-90)「花之寺」 4 女人の挑戦;丁玲(1904-86)「ソフィ女士の日記」 5 働く女性の真実;蕭紅(1911-42)「手」 6 占領下の夢;張愛玲(1920-95)「傾城の恋」 7 新しく見いだされる内面 -80年代以降の試み 許担当回=8~15回 8 ジェンダーと近現代中国文学 9 瓊瑤(1938-)のロマンス小説 10 戦時下の女:張愛玲(1920-1995)の40年代文学作品 11 李昂(1952-)のフェミニズム文学「夫殺し」 12 歴史・記憶・アイデンティティ:朱天心(1956-)「古都」 13 レズビアンの女性性:邱妙津(1969-95)『ある鰐の手記』 14 女の恋文:席幕蓉(1943-)と夏宇(1956-)の現代詩 15 振り返りと課題
【学習の方法】
・受講のあり方
対象とするテキスト(訳文つき)を、プリント資料として提供するので、講義の内容を適宜メモする。講義内容に関する質問へにの回答を、リフレクション・ペーパーにわかりやすい日本語で書く。
・授業時間外学習へのアドバイス
プリント資料をもう一度よく読んで、疑問や関心を覚えた箇所について、参考文献によって独自の調査考察を進めておく。
【成績の評価】
・基準
リフレクション・ペーパーの記載状況と期末の筆記試験の結果により、授業への主体的な参加の度合い、新しい知識の獲得状況と理解の度合い、さらに中国語圏の文芸について新たな視点から評価できる文章表現力が身についたかどうか、この四つの基準を満たしているかどうかで評価する。
・方法
リフレクション・ペーパーの記載状況40点、期末試験60点
【テキスト・参考書】
関連する文献は、授業中に紹介する。
【その他】
・オフィス・アワー
西上:月曜日13~14時30分 西上研究室。その他、在室時は随時。 許:金曜日12時~13時 許研究室。その他、在室時は随時。
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