映像学講義
 Studies of Visual Images
 担当教員:大久保 清朗(OOKUBO Kiyoaki)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
「メロドラマ映画を考える」
 映画のジャンルである「メロドラマ」をいかに考えるかは、映画の歴史においてもっとも大きな問題である。もともと演劇のジャンルであった「メロドラマ」が、映画(とりわけアメリカ映画)に導入されることで、映画は「進歩」したが、同時に、映画の可能性は旧来の物語ジャンルへと退行したともいえる。物語展開があり、登場人物の感情と自らを重ね合わせるとき、映画は多かれ少なかれ「メロドラマ」的ともなる(『スター・ウォーズ』すらも)。「メロドラマ映画」を考えることは映画を考えることに等しい。正確にいえば映画の限界を考えることを要請する。本講義では映画史、映画分析に関する一定の知識を紹介しつつ、具体的に映像について思考するにはどうするかを、参考上映やレポートの作成方法のレクチャーなどを通してすすめていく。
・到達目標
映画についての基本的知識を身につけ、自分の力で映像を分析・批評することができるようになる。

ジャンルとしてのメロドラマ映画の歴史から、社会との関わり、映画以外の学問・芸術領域(哲学、文学、演劇、大衆芸能)などとの比較から映画という視聴覚表象の特質を明らかにしていく。受講者はこうしたことから前述のような「映画について基本的知識」を習得し、「自分の力で映像を分析・批評」する能力を向上させていくことができる。
・キーワード
映画 映画史 映画理論 表象文化論

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
講義形式。
・日程
第1回 イントロダクション、ガイダンス、アンケート調査
第2回 映画鑑賞
第3回~第14回 講義
第15回 まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
映画の抜粋映像を用いながら講義を行う。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業時間外の参考上映(毎週複数回開催)にはなるべく多く参加すること。
授業で扱った映画はAVライブラリー室などを利用し、自主的に鑑賞すること。
用語や固有名詞などはノートを取り、自分で調べること。
紹介された文献・論文(ウェブクラスによるアップロード予定)を読むこと。

【成績の評価】
・基準
期末レポートの他に、毎回のコメントペーパー、および毎週数回(最低1回以上)参考上映会を開催するので、それに出席したときの映画コメントを課し、映画史の知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(批評分析、文章表現力)、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。基準は1)映画および映画史について興味を持ち、具体的に作品について分析でき、そこでの問題点を明確に指摘できる。2)映画および映画史に関する重要な語句を簡単な言葉で解説できる。3)授業および参考上映に積極的に参加し、その自分自身の姿勢を正当に自己評価できる。
・方法
授業コメントペーパー(45%)、参考上映・映画コメント(15%)、期末レポート(40%)

【テキスト・参考書】
参考書:ジョン・マーサー、マーティン・シングラー『メロドラマ映画を学ぶ ジャンル・スタイル・感性』フィルムアート社、3024円(2013)
各自で購入する必要はなし。この文献も含め、その他の文献は講義中に適宜紹介、ウェブクラスにアップする。)

【その他】
・学生へのメッセージ
映像を勉強することは一見楽しそうですが、実は他の学問と同じく、好奇心ともにに忍耐を必要とします。映像との出会いを通して、世界がこれまでとまったく違って見えるようになることを願っています。
・オフィス・アワー
在室時随時(要アポイントメント)

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