ドイツ文化論
 German Culture
 担当教員:渡辺将尚(WATANABE Masanao)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
「負の遺産」との闘いとしての戦後ドイツ
・到達目標
今や欧州連合において中心的な役割を果たすドイツが、第2次大戦の敗戦以降、どのような問題に直面し、それらとどのように向き合ってきたのかが理解できるようになる。
・キーワード
ナチズム、過去、負の遺産、東西分裂、ベルリンの壁、再統一、欧州連合

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。

【授業計画】
・授業の方法
授業前半:その日扱うテーマについて、簡潔に要点を講義し、問題提起をする。基本的にパワーポイントを用いるが、受講の仕方、注意すべき点等については、1回目の授業で説明する。
授業後半:「ワークシート」を配付する。この「ワークシート」に従って、前半で出された問題について考えてもらう。
・日程
以下の各テーマに対し、1回ないし2回の時間をかける。
1.敗戦と知識人たちの東独への希望:ベルトルト・ブレヒト、クリスタ・ヴォルフ
2.テーオドーア・ホイス(ドイツ連邦共和国初代大統領)の演説と、敗戦直後の人々の意識
3.「非ナチ化」の矛盾、皮肉、二面性
4.被害者意識と記念碑
5.ナチズムは繰り返す――アドルノからの問題提起
6.首相府次官ハンス・グロプケ(在任:1953~1963)をめぐって
7.アイヒマン裁判(1961年)とアウシュヴィッツ裁判(1963~65)――イスラエルの反応も視野に
8.マルティン・ヴァルザーのエッセイ(1960年代~70年代)と『ドルレとヴォルフ』(1987年)――ドイツ人は片割れでしかない
9.「ヴァルザー・ブービス論争」(1998年)――ドイツはいつまで謝らなければならないのか
10.ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(1995年)におけるナチズムの過去
11.ナチズムの過去と欧州統合、そして難民の受け入れ――現代へのまなざし

【学習の方法】
・受講のあり方
たえず疑問や意見を持ちながら、講義に耳を傾けてもらいたい。
・授業時間外学習へのアドバイス
興味あるテーマについては、さらに考えを広げてほしい。日ごろからそのような姿勢が身についていれば、学期末のレポート作成が容易になるであろう。

【成績の評価】
・基準
ワークシートの他に、期末レポートを課し、知識の修得の度合い・理解の度合い・汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)修得の度合い・参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて評価する。
具体的には、1)戦後ドイツの歩みに関心を持ち、さまざまな事例について説明できる。2)自らの感じた問題点を明確に指摘できる。3)授業に積極的に参加し、その自分自身の姿勢を正当に自己評価できることが基準となる。
・方法
ワークシート50点、期末レポート50点

【テキスト・参考書】
適宜、授業中に指示する。

【その他】
・オフィス・アワー
木曜日12時~13時 人文学部2号館3階東端 渡辺将尚研究室

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