日本語学演習(前期)
 Seminar in Japanese Linguistics
 担当教員:中澤 信幸(NAKAZAWA Nobuyuki)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
《フィールドワークによる方言研究》
 いわゆる標準語とは異なる日本語の変異が「方言」です。方言とは地域による変異(地域方言)にとどまらず、世代や社会的要因による変異(社会方言)も含みます。この授業では大学内で学生たちの方言意識について調査した後、地域に出かけて地域方言の実態や人々の方言意識を調査することで、フィールドワークによる方言研究を実践していきます。
・到達目標
 フィールドワークによる方言研究の方法について学ぶことができる。地域に出かけてアンケート・インタビューを行うことでデータを採取し、分析するという手法を身に付けることができる。そして卒業論文のテーマと研究方法を見出すことができる。
・キーワード
 方言研究 フィールドワーク 社会言語学 データ採取と分析

【科目の位置付け】
 学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
 まず方言研究について、テキストを読んだ上で発表します。そして大学内で学生たちの方言意識について調査し、発表します。また地域に出かけて、地域方言の実態や人々の方言意識を調査し、発表します。調査にあたっては5名程度のグループを編成します。最後に学んだ内容や調査の結果を各自でレポートにまとめます。
・日程
 第1回 ガイダンス、日本語の変異としての方言
 第2回 言語生活の中の方言
 第3回 言語行動における方言、言語接触と方言
 第4回 言語変化と方言、言語意識と方言
 第5回 言語習得と方言、山形大学学生の方言意識について
 第6回 発表① 学生の方言意識調査の構想
 第7回 言語計画と方言
 第8・9回 発表② 学生の方言意識
 第10回 方言学の方法
 第11回 発表③ 地域における方言調査の構想
 第12回 地域における方言調査
 第13・14回 発表④ 地域における方言
 第15回 全体のまとめとレポートの説明

【学習の方法】
・受講のあり方
 この授業ではフィールドワークによる方言研究の手法を学びます。受講者自身が積極的にこの手法を身に付け、将来の卒業論文へつなげるようにしてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
[予習のあり方]テキストをあらかじめよく読むようにしてください。
[復習のあり方]授業終了時に課題(ミニレポート)を出しますので、次回までに各自の回答を指定の用紙に記入しておいてください。また質問事項・感想等も記入してください。

【成績の評価】
・基準
 主体的な参加、知識の修得、理解、汎用的技能の修得の四つの度合いで評価します。基準は1) フィールドワークによる方言研究の方法が身に付いているか、2) 将来の卒業論文につながるテーマと研究方法を見出すことができているか、です。
・方法
 ミニレポート(30%)・発表(30%)・最終レポート(40%)

【テキスト・参考書】
[テキスト]
 徳川宗賢・真田信治『新・方言学を学ぶ人のために』(世界思想社、1991)
[参考書]
 平山輝男『日本のことばシリーズ6 山形県のことば』(明治書院、1997)

【その他】
・学生へのメッセージ
 言語研究は文献を読むだけではなく、地域に出て生の言葉に耳を傾けることも必要になってきます。自分の足で出かけてアンケート・インタビューをすることで、フィールドワークを体験してみませんか。
・オフィス・アワー
 中澤信幸:火曜日 13時~17時 中澤研究室
 アポイントにより他の時間帯での面談にも応じます。(電話または電子メールで予約すること。)

10833029-2016-01-13229