日本文化講読
 Directed Reading in Japanese Culture
 担当教員:森岡 卓司(MORIOKA Takashi)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
《文化批評を読む》
第二次世界大戦の従軍体験も持つ戦後日本を代表する作家が、1980年代の日本文化を多方面にわたって(サブカルチャー/ハイカルチャーの別なく)積極的に受容し、批評したテクストを、資料に基づき具体的な状況を再現しつつ、2010年代の現時点から分析する。
・到達目標
発表に際して、文献を探索しそれを整理して提示する能力を身につける。
討議を通じて、戦後日本文化を通時的パースペクティブのもと分析できる。
・キーワード
言説研究

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラムポリシーとの関連については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修して下さい。

【授業計画】
・授業の方法
授業担当者が使用テキストについて概説した後、受講者が各担当部分からテーマをみつけ、資料を探索し、それに基づいた分析を発表する。発表については受講者全員で討議を行う。発表は一人一回、20分程度のものを予定しているが、受講生の数によって調整する。
・日程
以下は、受講者を15名前後と仮定した場合のプランである。従って、実際の受講者数によって調整することがある。
1 ガイダンス
2 「成城だより」について(授業担当者による概説)
3 「ひどいことになってきた」—関東大震災、教科書問題、ユング派心理学、など
4 「旅と腹立ち」—堺事件論争、『家畜人ヤプー』と著作権、など
5 「声なき叫び」—『武蔵野夫人』、性被害ドキュメンタリー、アイヌと金田一言語学、など
6 「それはさうにちがひない」—性被害問題、中曽根内閣、横光利一など
7 「寒い正月」—ランボー、文壇論争、『金魂巻』、宮沢賢治、など
8 「アマデウス」—「総批評家の時代」、マンガとコマ割、『アマデウス』、など
9 「遅い春」—『火の鳥』、『北斗の拳』、科学博覧会、など
10 「批評の季節」—「宿命の女」、「たけくらべ」論争、貿易自由化論、など
11 「散歩人生」—戦後文学鎖国論、臨教審など
12 「野球人生」—血友病問題、巨人阪神戦、など
13 「小説を読む」—柄谷行人の「交通」概念、徳島事件、など
14 「八月は悪夢の月だ」—靖国審議会、「こころ」論争、など
15 まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
発表については、充分な時間をかけて準備すること。さらに検討の余地がある場合には再発表を命じることがある。討議には積極的に参加すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
●予習のあり方
テキストの発表が予定されている部分、テーマについては、読了してくること。
●復習のあり方
自分の発表について指摘されたことを整理し、レポート執筆に備えること。

【成績の評価】
・基準
発表を行うことが成績評価の前提となる。担当回を無断で欠席したものには単位を認定しない。主体的な参加の度合い、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理性、表現力)に関して、発表を踏まえたレポートによって、授業中の質疑応答によって評価する。
・方法
レポート(80点)授業内活動(20点)

【テキスト・参考書】
[テキスト]大岡昇平『成城だより』下、講談社文芸文庫(ただし絶版、古書のみ。どうしても手に入らなかった場合には授業担当者が対策を考えます。)
(『成城だより』上は参考書扱いとしますが、経済的負担が可能ならば併せて購入してください。)

【その他】
・学生へのメッセージ
紋切り型の「文化」論、紋切り型のサブカルチャー論を超えましょう。
・オフィス・アワー
水12:30〜14:00 他の時間はメールでアポイントをとってください。

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