表象文化演習(前期)
 Undergraduate Seminar in Representational Culture
 担当教員:大久保 清朗(OOKUBO Kiyoaki),合田 陽祐(GODA Yosuke)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
「間テクスト性」
 あらゆる芸術作品は無からは生じない。一つの作品は、それに先行する作品との関係を運命づけられているからだ。そして、作品の意味が作者一人の意図に還元できない以上、作品の受け手も、相互連関のなかで重層的な意味を見いだしていく必要があるだろう。こうした複数の作品同士のなかで生まれる意味の生成の在り方をとらえるために提唱された概念が、「間テクスト性」(英intertextuality、仏Intertextualité)である。小説や映画はもとより、インターネットが普及した今日では、あらゆるところに「間テクスト性」が張りめぐらされている。本演習では、身近な作品、社会事象、身の回りの事象に対して、「間テクスト性」の観点からアプローチするための方法を学んでいく。また、現代社会を「間テクスト性」の網の目の中で読み解くことの有効性を、文学や映画、漫画やアニメ作品の分析をとおして確認していきたい。
・到達目標
「間テクスト」という観点からさまざまな作品を分析することで、ただ「内容」を享受するだけではなく、その「内容」を支える思考枠組みそのものを批評的に分析・再検討する力を身につける。
・キーワード
間テクスト パロディ 翻訳 パスティッシュ 模倣 テクスト 記号 文学 小説 絵画 写真 映画 マンガ アニメ 表象

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
受講者による発表と、それをめぐる議論で進行します。
・日程
受講者の数と関心にしたがって日程を決定します。

【学習の方法】
・受講のあり方
自分の関心を踏まえつつ、積極的に発表と議論にのぞむこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
充分な時間をかけて発表の準備をすること。担当教員がアシストします。
報告後は、授業参加者からのコメントカードなどによって議論の内容をふりかえり、自分の意見とつきあわせてみましょう。

【成績の評価】
・基準
発表においては、着眼点と論理展開のユニークさ、基礎となる知識の確実性を評価します。議論においては、積極性を評価します。レポートにおいては、発想の独創性と論理の明快さを評価します。
・方法
発表40%、学期末レポート40%、議論への参加度20%

【テキスト・参考書】
・土田知則『間テクスト性の戦略』夏目書房、2000年
・グレアム・アレン『間テクスト性』(森田孟訳)研究社、2002年
・ジェラール・ジュネット『パランプセスト』(和泉涼一訳)水声社、1995年
・リンダ・ハッチオン『アダプテーションの理論』(片渕悦久ほか訳)晃洋書房、2012年
・アントワーヌ・コンパニョン『第二の手、または引用の作業』(今井勉訳)水声社、2010
その他、参考書は必要に応じて随時紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
自分の発表だけでなく、他の人の発表もよく聞き、質問や意見を述べる姿勢が大切です。
・オフィス・アワー
大久保清朗:木曜日14:40~16:10その他在室時随時(要アポイント)
合田陽祐:火曜日16:20~17:50その他在室時随時(ランデヴーを取ってください)

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