日中交流史演習
 Seminar in Cross-cultural studies of China and Japan
 担当教員:許 時嘉(HSU Shih-chia)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
「日本の中の中国、中国の中の日本」
本授業は近代日中交流や日台交流の様々な場面における文化的営為とその意味を理解していく。 前半は実例として漢字漢語の交流史を取り上げ、①漢字語彙の流動史、②語彙の意味の変容、③地域による漢語使用の差異とその社会的意味、④漢字漢語のクレオール的な現象を指定の参考文献に即して紹介し、東アジアに共通する漢字文化への理解を深めるのを目指している。後半は、「日本の中の中国(台湾)、中国(台湾)の中の日本」をテーマとして受講生に課題発表をしてもらい、近代日中交流の様々な場面とその意義を理解することを狙う。 
・到達目標
近代日中交流における文化的な営為に関する新たな見方を獲得し、近代日中交流の意義を学問的に評価することができる能力を身につける。
・キーワード
漢字文化、日中交流、日台交流、

【科目の位置付け】
 学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。

【授業計画】
・授業の方法
 前半は、教員は「日中の漢字漢語交流史」を実例に即して、毎回プリントや参考文献を適宜提供し、講義する。受講生は授業中に意見交換への積極的な参加が求められるほか、学期中に資料発表、課題発表及び期末レポートの提出を義務付けられる。
・日程
1.ガイダンス
2.概説:漢字文化圏の構成
3.語彙流通の回路:古代から現代まで
4.漢字の日本語化:「音」と「形」の新しい癒着
5.漢字の日本語化:漢文訓読
6~10.日中交流の様々な場面①~⑤:モノ、制度、思想(資料輪読と発表)
11~14.課題発表「日本の中の中国、中国の中の日本」①~④
15. 総括

【学習の方法】
・受講のあり方
 対象とするテキスト(訳文つき)を、プリント資料として提供するので、講義の内容を適宜メモする。受講生が下記のことを義務付けられている。
(1) 毎回授業中の討論に積極的に参加する。
(2) 資料発表及び課題発表
(3) 期末レポート
・授業時間外学習へのアドバイス
指定の参考書と参考文献を事前に熟読すること。

【成績の評価】
・基準
 日本と中国との文化交流の歴史とそれぞれの変容ついて新たな視点から考えられるようになったかどうかを合格の基準とする。期末レポートのほか、資料発表と課題発表を課し、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、主体的な参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定する。基準は1)授業中に配布される日中交流史の関連資料をきちんと読解し、自分の言葉で解説できる、2)日中交流史の問題点を自分なりに発見し、積極的に考察、分析できる。3)授業の討論に積極的に参加し、自主的な思考や感想を論述できる。
・方法
平常点(授業への討論と口頭発表):70点、期末レポート:30点

【テキスト・参考書】
授業中に提示します。

【その他】
・オフィス・アワー
火曜12時~13時。ほか、在室時は随時。

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