比較文化演習
 Seminar in Comparative Culture
 担当教員:伊藤 豊(ITO Yutaka)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 対米依存の起源
 本年度は、松田武『対米依存の起源―アメリカのソフト・パワー戦略 』を教材として用いる。
・到達目標
 上記の文献の読解を通じて、(1)戦後日本の対米依存の深刻さ、ならびに敗戦後70年を経ても対米依存から抜け出すことができない原因が理解できるようになり、また(2)戦後日本における文化交流事業と政治の関係について学ぶことができる。
・キーワード
知、権力、カネ、カルチュラル・ポリティックス、ソフトパワー、日米関係、親米

【科目の位置付け】
 学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。

【授業計画】
・授業の方法
 まず教材の事前指定部分について各担当者の発表をおこない(授業時間の3分の1程度)、残りの時間をクラス討議にあてる予定。
・日程
 全15回の授業のうち、初回はイントロダクションにあて、2回目以降は個人発表に進む。各人の発表日程ならびに教材の担当分量については、受講者の数を確認した上で、最初の授業の時に決定する。授業で扱う予定のトピックは以下のとおり:
  ・はじめに―「知」「権力」「カネ」と日米関係
  ・占領期の対日文化政策―民間情報教育局
  ・冷戦、「逆コース」、そしてナショナリズムの台頭
  ・独立の代価―「ソフト・ピース」と日米安保条約
  ・東京でのジョン・D・ロックフェラー三世―文化交流か「文化帝国主義」か
  ・ロックフェラー報告書―共産主義の脅威に対抗して
  ・日米文化交流の制度化にむけて
  ・知識人への文化構成
  ・日本の知識人を親米派に―ロックフェラー財団の活動を中心に
  ・東京大学=スタンフォード大学共催のアメリカ研究セミナー
  ・京都アメリカ研究セミナー
  ・米国のソフト・パワーの光と翳

【学習の方法】
・受講のあり方
 発表とクラス討議が中心となるので、受講者はみずから進んで発言することにより、授業に参加しなければならない。
・授業時間外学習へのアドバイス
・予習のあり方:事前に定められた部分をきちんと読んだ上で、授業に参加すること。
・復習のあり方:最終的にレポートによる評価が成績決定の大きな要因となる。したがって受講者は、各授業で論じられる問題のうち、自分のレポートの材料として適当なものの発見に努め、また授業後はそれに関する調査を自分でやっておくこと。

【成績の評価】
・基準
 評価にあたっては、まず以下の2点を重視する:
(1)戦後日本の対米依存の深刻さ、ならびに敗戦後70年を経ても対米依存から抜け出すことができない原因が理解できているか。
(2)戦後日本における文化交流事業と政治の関係について理解できているか。
 上記の2点について、人文学部のガイドラインである、「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文法表現力)」の4つの基準で成績評価をおこなう。
 具体的には、個人発表、質疑応答などの授業参加状況、そして学期末レポートを総合的に見て、合計で最低6割の得点率をもって合格と判断する。 
・方法
 授業参加:20点、個人発表:30点、学期末レポート:50点。個人発表では受講者各自の担当部分の理解度について、学期末レポートでは授業テーマに関する各人の解釈について評価することとなる。

【テキスト・参考書】
 松田武『対米依存の起源――アメリカのソフト・パワー戦略 』(岩波書店、2015年)

【その他】
・オフィス・アワー
 最初の授業で伝える。

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