マクロ経済学は、国単位の経済活動を対象にして、景気循環や経済成長の仕組みを分析する学問である。具体的には、一国の経済規模がどう決定されるか、財政政策や金融政策が景気にどのような影響を与えるか、そして、どのような要因で経済が成長するかが、マクロ経済学の分析対象である。本講義では、「マクロ経済学」を基礎として、その応用の仕方、例えば、マクロ経済政策がGDPをどのくらい増やすかなどを定量的に計算する手法について解説する。また、「将来期待を取り込んだマクロ経済モデル」や「経済成長モデル」など、より進んだマクロ経済学についても解説する。

受講者は、今後のマクロ経済の先行きについて、ある程度の方向性を、理論を基礎に予測できるようになる。さらに、この講義を注意深く受講することにより、抽象的な出来事を「モデル」というツールを用いて分析する力を養うことができる。

マクロ経済モデル、ＧＤＰ、経済政策

学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

講義資料を配布し、それと板書を基に講義形式で授業を行う。

１．オリエンテーション：講義の概要
基礎的マクロ経済モデルの復習
２．45度線モデル：財市場の均衡
３．ＩＳ－ＬＭモデル：財市場と金融市場の同時均衡
４．総需要・総供給（ＡＤ－ＡＳ）モデル
基礎的マクロ経済モデルで日本経済をExcelで描写する
５．日本経済版ＩＳ－ＬＭモデルを考える
６．政策シミュレーション分析をしてみよう
期待形成、物価水準の決定、および政策効果
７．フィリップス曲線と拡張されたフィリップス曲線
８．適応的期待と合理的期待
９．期待形成と政策効果
10．マクロ経済学の過去・現在
新古典派による経済成長論
11．生産関数とその特徴
12．ソローモデル：何がGDP成長率を決める？
13．ソローモデル（２）：何が一人当たりGDP成長率を決める？
まとめ
14．総復習（１）
15：総復習（２）

経済学という学問の都合上、暗記するのではなく、図やグラフなどを援用して「考えて」理解する必要がある。

新しい理論は古い理論を含みつつ拡張していくため、次の講義までの復習をしっかりと行う必要がある。

毎回出席を取り授業参加への意欲を見る。また、講義内容の知識を確認するため中間課題を課す。そして、期末試験で総合的な理解度および論理思考能力を問う。

学習意欲30％、中間課題20％、期末試験50％

配布する講義資料。以下は復習などに使って欲しい参考書。
グレゴリー・マンキュー、『マンキュー マクロ経済学 第3版I入門編』、東洋経済新報社。
グレゴリー・マンキュー、『マンキュー マクロ経済学 第3版II応用篇』、東洋経済新報社。
齊藤 誠、岩本 康志、 太田 聰一、 柴田 章久、『マクロ経済学 』、有斐閣。

経済学は説得の科学とも呼ばれる。自説を誰かに納得させる際、経済学は有用である。

溜川研究室：月曜13時から17時。その他の時間でも場合によって対応可。