経済政策論(前期)
 Economic Policy 1
 担当教員:村松 怜(MURAMATSU Ryo)
 担当教員の所属:人文学部法経政策学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 この授業では戦後日本の財政政策・金融政策を中心に取り扱う。
 日本の政府債務は世界最大級の規模となっており、「財政危機」が叫ばれるが、今日のような状況はどのようにして形成されてきたのか。それを理解するためには歴史的な経緯に目を向ける必要がある。
 この授業では今日の日本財政の状況を学んだ上で、そのような状況がどのようにして形成されてきたのかを学ぶ。財政政策の問題が中心とはなるが、財政の問題は金融政策の問題と密接に関係する面もあるため、金融政策についても学ぶ部分がある。
・到達目標
 ・今日の日本財政の状況・特徴について理解できる
 ・日本財政の現状がどのようにして形成されてきたのか理解できる
 ・財政政策と金融政策との関係性について理解できる

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
講義形式で授業を行う。特定の教科書は指定せず、授業の際に資料を配布する。
・日程
1.日本財政の現状と特徴

2.戦後の日本財政
  ・戦後の所得税減税政策
  ・国債発行の開始
  ・オイル・ショック後の財政危機と増税路線
  ・消費税導入の挫折
  ・バブル崩壊以降の減税
  ・財政投融資と「課税なき歳出」

3.国債の累積と金融政策
  ・世界最大の借金と世界最低水準の利払費
  ・誰が政府にお金を貸しているのか
  ・政府債務と「異次元の金融緩和」

【学習の方法】
・受講のあり方
・それぞれの授業のトピックが何であるのか、どういった文脈で何のことを話しているのかといった、「今どこにいるのか」ということをいつも意識しながら聞く
・配布資料をもとにして講義を行うが、解説で重要なところはメモを取りながら聞く
・授業時間外学習へのアドバイス
・授業の内容は配布した資料をもとに復習する
・授業で挙げた参考文献を読む
・日々、授業の内容と関係する報道や論説があると思うが、それに触れた際にわからないところがあった場合、図書館の資料やウェブ上の情報などで調べるようにする。それを授業の内容の批判的検討につなげる、あるいは反対に授業の内容をもとにその報道・論説の批判的検討につなげ、リアクション・ペーパーに反映させてほしい。

【成績の評価】
・基準
 期末の筆記試験および授業中のリアクション・ペーパーによって、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いについて判定し、その合計点を用いて評価する。
(1)期末の筆記試験(持ち込み不可)において、授業内容の理解度および論理的思考力・文章表現力を評価する。
(2)授業内でリアクション・ペーパーを出してもらうことがあり、そこに授業の内容に関わる疑問点を記述してもらう。その内容に応じて評価する。例えば、授業内容を理解した上で、的確に批判的な疑問点が出されている場合や、重要な論点が提示されている場合に加点する。
・方法
期末試験(90%)、リアクション・ペーパーの内容(10%)

【テキスト・参考書】
テキストは指定しない。
<参考書>
・井手英策(2012)『財政赤字の淵源』、有斐閣
・大矢俊雄(2015)『図説 日本の財政 平成27年度版』、東洋経済新報社
・大蔵省財政史室・財務省財務総合政策研究所財政史室『昭和財政史』各巻、東洋経済新報社
・財務省財務総合政策研究所財政史室(2013)『平成財政史4 租税』、大蔵財務協会
・財務省財務総合政策研究所財政史室(2015)『平成財政史9 資料(2)』、大蔵財務協会
・小林照義(2015)『金融政策』、中央経済社

【その他】
・学生へのメッセージ
「経済政策論(後期)」も合わせて履修されたい。
・オフィス・アワー
前期:火曜日10:30~12:00

10920003-2016-01-15105