経済政策論(後期)
 Economic Policy 2
 担当教員:村松 怜(MURAMATSU Ryo)
 担当教員の所属:人文学部法経政策学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 この授業では日本の財政政策・社会保障政策を中心に取り扱う。
 「所得の再分配」は経済政策の一環であるとともに、財政の基本的な機能の1つともされる。しかし一方で、近年において格差・貧困の拡大が問題とされており、それは所得再分配政策のあり方と密接に関わっている。この授業では日本における所得再分配政策について学ぶ。所得再分配の問題は、財政政策の中でも特に社会保障の問題と密接に関わるため、社会保障政策について学ぶことにもなる。
・到達目標
・日本の所得再分配政策について理解できる
・日本の社会保障制度の特徴について理解できる
・財政と政府への信頼との関係について理解できる

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
講義形式で授業を行う。特定の教科書は指定せず、授業の際に資料を配布する。
・日程
1.「所得の再分配」とは

2.日本の社会保障制度とその特徴
 ・高齢者向けに偏った社会保障
 ・分断された制度

3.日本の社会保障政策
 ・戦後の社会保障の拡大
 ・1980年代以降における社会保障費の抑制
 ・再分配機能の低下

3.財政と政府への信頼
 ・普遍主義と選別主義
 ・財政支出と政府への信頼

【学習の方法】
・受講のあり方
・それぞれの授業のトピックが何であるのか、どういった文脈で何のことを話しているのかといった、「今どこにいるのか」ということをいつも意識しながら聞く
・配布資料をもとにして講義を行うが、解説で重要なところはメモを取りながら聞く
・授業時間外学習へのアドバイス
・授業の内容は配布した資料をもとに復習する
・授業で挙げた参考文献を読む
・日々、授業の内容と関係する報道や論説があると思うが、それに触れた際にわからないところがあった場合、図書館の資料やウェブ上の情報などで調べるようにする。それを授業の内容の批判的検討につなげる、あるいは反対に授業の内容をもとにその報道・論説の批判的検討につなげ、リアクション・ペーパーに反映させてほしい。

【成績の評価】
・基準
 期末の筆記試験および授業中のリアクション・ペーパーによって、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いについて判定し、その合計点を用いて評価する。
(1)期末の筆記試験(持ち込み不可)において、授業内容の理解度および論理的思考力・文章表現力を評価する。
(2)授業内でリアクション・ペーパーを出してもらうことがあり、そこに授業の内容に関わる疑問点を記述してもらう。その内容に応じて評価する。例えば、授業内容を理解した上で、的確に批判的な疑問点が出されている場合や、重要な論点が提示されている場合に加点する。
・方法
期末試験(90%)、リアクション・ペーパーの内容(10%)

【テキスト・参考書】
テキストは指定しない。
<参考書>
・井手英策・古市将人・宮崎雅人(2016)『分断社会を終わらせる』、筑摩書房
・佐藤滋・古市将人(2014)『租税抵抗の財政学』、岩波書店
・駒村康平ほか(2015)『社会政策:福祉と労働の経済学』、有斐閣

【その他】
・学生へのメッセージ
「経済政策論(前期)」の内容と大きく関わる部分もあるため、前期の授業を履修していることが望ましい。
・オフィス・アワー
後期:金曜日13:30~14:30

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