地域経済論
 Regional Economy
 担当教員:立松 潔(TATEMATU Kiyosi)
 担当教員の所属:非常勤講師
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:集中講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
「地域産業の発展と地域経済」
地域はそこに住む人々の生活の場であるとともに、就業の場としても重要です。地域住民の生活は「しごと」によって支えられているからです。自分の地元で公務員や金融機関・企業などでの就職を希望している学生諸君も多いと思います。この授業ではそんな「しごとの場」としての地域産業について歴史的に分析するとともに今後の課題についても明らかにしたいと思います。
・到達目標
(1)東北・山形県を中心とする戦後の地域産業・地域経済の発展過程の特色について理解し、説明できるようになります。
(2)現在の地域経済が抱えている課題について理解し、説明できるようになります。
・キーワード
人口流出、農村工業化、産業空洞化、高付加価値化、ローカルアベノミクス、インバウンド観光

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
板書と講義中心ですが、統計資料などはプリントにして配布します。また、学生諸君の要望や感想などを参考に、以下の授業日程とその内容(テーマ)は適宜修正して行きたいと思います。
・日程
はじめに ( 第1回 )
1.高度成長と地域経済―工業化の進展と地域開発
(1)地方からの人口流出 ( 第2回 )
(2)地方産業の発展とその特色 ( 第3回 )
(3)東北・山形の工業化とその背景 ( 第4回 )
(4)農村工業化の論理と帰結  ( 第5回 )
2.製造業・高付加価値化への模索
(1)臨海型工業開発の挫折  ( 第6回 )
(2)内陸型工業の高付加価値化 ( 第7回 )
(3)世界同時不況と山形県経済 ( 第8回 )
3.地方創生と地域経済
(1)ローカルアベノミクスとそのねらい ( 第9回 )
(2)若者の流出の実態と背景 ( 第10回 )
(3)政府の地方創生策の課題と限界 ( 第11回 )
(4)地方でのしごと創出への取り組み ( 第12回 )
4.地域づくりと観光
(1)国内観光市場の縮小とその背景 ( 第13回 )
(2)インバウンド観光への取組み ( 第14回 )
5.まとめ ( 第15回 )

【学習の方法】
・受講のあり方
板書されたことだけでなく、口頭での解説も(できる範囲で構いませんから)ノートするようにしてください。メモを取る能力を磨くことは今後のためにも重要です。また、レスポンスカードを毎回配布しますので、質問や感想、要望などを積極的に出してください。
・授業時間外学習へのアドバイス
自分の生まれ故郷や現在暮らしている地域の経済がどんな特色を持ち、どんな課題を抱えているか、またこれからどのようになって欲しいかを考えながら受講して欲しいと思います。授業では東北、特に山形県の経済を重点的に取り上げますが、自分の出身県について文献や資料にあたり、山形との違いを調べてみると、地域経済の構造についてより理解が深まります。政府や都道府県の最近の統計データはネットに公開されていますので、授業で配布した図表を参考に、自分の出身地の統計データを調べ、図表にまとめてみましょう。客観的な統計データをもとに考える癖をつけることは今後のためにも大変有意義です。

【成績の評価】
・基準
授業に主体的に参加し、レスポンスカードに授業で特に興味深く感じたことを記入してください。
また試験では戦後の地域産業・地域経済の発展過程の特色と現在の地域が抱えている経済的課題について理解の度合いや知識修得の度合いを判定します。論述形式の試験ですので、設問に対し限られた字数の範囲で適格な回答の文章を仕上げることが合格の要件になります。
・方法


【テキスト・参考書】
テキストはありません。参考文献は授業で随時紹介しますが、最近話題になった次の本は読んでおくと良いでしょう。増田寛也編著『地方消滅』中公新書、2014年、820円+税。

【その他】
・学生へのメッセージ
みなさんの授業に関する感想や意見を授業内容に反映していきたいと思っています。レスポンスカードだけでなく、メールでの質問や意見も歓迎します。

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