公共政策学
 Policy Studies
 担当教員:川村 一義(KAWAMURA Kazuyoshi)
 担当教員の所属:人文学部法経政策学科
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:4単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 そもそも「公共政策」とは何か,公共政策「学」とはどういう分野なのかという基礎的論点から,公共政策の決定過程で生じる問題への対処といった応用的論点まで,公共政策学の意義と現状について解説します。
 問題解決という実用的関心から生まれ,曖昧な一方で豊かな可能性を持つのが公共政策学の特徴で,社会生活でも応用可能な知識の獲得を目指します。
・到達目標
 この授業の到達目標は,受講者が以下の2点の能力を獲得することです。
(a)公共政策学における概念や理論,応用例などを正しく理解すること
(b)目前の社会生活も見据え,現実の問題に対処する際,学んだ知識を活用できるようになること
・キーワード
民主主義/資源の有限性/合理性/価値観/議論

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラムマップ」を参照し,よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
 解説はレジュメと板書によって進めます。もちろん質問は受け付けます。毎回,コメント票を配布します。
・日程
●概ね下記のトピックについて解説します。トピックの入れ替えを行うこともあります。
(1)「公共」の「政策」とは (2)公共政策「学」の成り立ち (3)政策とは何か (4)公共政策のチェックポイント (5)目標とは何か (6)政策形成過程総論 (7)知識の使い方 (8)アジェンダとは何か (9)アジェンダの選別 (10)仮説 (11)第3種過誤 (12)合理性の原則 (13)三つのE (14)能率性 (15)能率への忠誠 (16)ORと統計データ (17)ORの基本心得 (18)数字の限界 (19)公共政策学の本質的問題~自由への介入 (20)公益のジレンマ (21)妥協としての政策手段 (22)公共の概念と社会の「進歩」 (23)目標は制度化すべきか (24)理念の世界 (25)補償の意味 (26)議論の意味 (27)情報的優位 (28)まとめ~漸進主義
●過年度生は公共政策論(2単位)と公共政策特殊講義(2単位)への読み替えが必要となるので,初回のガイダンスに必ず出席して下さい。

【学習の方法】
・受講のあり方
 一見すると難解に思える専門用語や概念なども,意味自体は難しくない場合がほとんどです。むしろ,それらが現実でどう活かされているかが重要なので,解説の内容を理解し,暗記ではなくイメージとして定着させ,的確に用いられるようにして下さい。
・授業時間外学習へのアドバイス
 体系がないに等しく,予習の不可能な分野なので,復習を中心に据えて下さい。

【成績の評価】
・基準
 知識の修得および理解の度合いを中間筆記試験(40点満点)と期末筆記試験(40点満点)で,汎用的技能の修得の度合いをレポート(20点満点)で評価します。基準は,①公共政策の難しさの要因を正しく理解しているか,②幅広い事例への応用がきくか,③理性的かつ論理的に主張を展開できるかの3点です。
・方法
 筆記試験は応用問題が中心となり,授業時に解説する事例をどの程度正確に理解しているかが決定的となります。同じく,レポート作成においては,時事問題に深い関心を寄せることが必要です。レポートの指針は,あらかじめ説明します。
 なお,積極的にコメント票を提出した受講者については,主体的な参加の度合いに応じ,最終段階で加点の対象とします。
 過年度生については,読み替えとの関係で一部変更しますので,繰り返しますが,初回のガイダンスには必ず出席して下さい。

【テキスト・参考書】
 良質の文献が少ないのも,この分野の特徴です。一応,過不足なくコンパクトという点で下記の文献を指定しますが,非常に難解なので,授業内容を理解してから参照して下さい。
●秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉『公共政策学の基礎』(新版)有斐閣,2015年,定価2,808円
 むしろ参考書の方が重要なので,各回に紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
 不明な点は必ず質問して下さい。
 私の授業では自己責任の原則を徹底しています。出席はとりませんが,欠席分についてはノートを借りて手当てするなど,リスクは全て自分で負って下さい。
・オフィス・アワー
 火曜日 13時30分~17時00分 川村研究室
 それ以外では,事前予約の上,適宜調整します。

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