【授業概要】
・テーマ
≪行政救済法・・・行政活動に対する私人の不服の解消のための諸制度≫ 行政活動によって私人が不利益を被る場合の行政上及び司法上の事前事後の手続きに関する法制度を概観し関連判例を読むことにより、行政機関がその活動について私人の救済の観点からどのような法的統制に服しているのかについて理解する。
・到達目標
行政救済法に関する諸制度そのものを理解することに加え、この講義では法律条文の逐条的な解釈を行ったり判例を読むことが必要となるため、法や条文の解釈の方法・技術を習得することも一つの目標となります。
【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修して下さい。
【授業計画】
・授業の方法
基本的にテキストを使用して講義形式で行い、必要に応じてプリント・資料を配布する。また、小テストまたはレポート兼アンケートを複数回実施し、理解度を確認するとともに、授業内容・方法についての問題点・要望を問い、フィードバックに利用する。
・日程
序 ガイダンス、行政救済法の概要 1.行政争訟 (1)行政過程における争訟 (2)行政訴訟 取消訴訟の訴訟要件、取消訴訟の審理、取消訴訟の判決 その他の行政訴訟、仮の権利保護 2.国家補償 (1)国家賠償 国家賠償法1条責任、国家賠償法2条責任 (2)損失補償 (3)国家補償の問題領域と課題
【学習の方法】
・受講のあり方
行政関係法令が対象とするのは大部分が日常的具体的な事項についてであるが、一方でそれら法令は、憲法の定める基本的価値を具体化するものであるともいわれる。そこで、受講にあたっては、常にこの図式を意識し、題材として取り扱う個々の法令や制度と憲法上の原理原則とを照らし合わせながら聴講するよう努めてほしい。 なお、六法(最低限、ポケットまたはコンパクト六法)を持参すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前にテキストを読んでおくことが必須である(講義は原則的にテキストの順序通り進める)。 また、事前に予告し、参考文献・判例等を読んでおくよう指示する場合がある。 関連するようなニュースに接した時には、本講で得た知識をその理解に役立ててみる。 加えて、各種試験の過去問題等を解くことは学習成果の確認の観点から有用である。
【成績の評価】
・基準
小テスト等(複数回)と(中間)期末試験による。これらは、本学部の定める評価基準(①「主体的な参加の度合い」、②「知識の習得の度合い 」、③「理解の度合い」、④「汎用的技能の習得の度合い」)を反映した評点がなされるように作題される。 判定の基準は、1)行政救済法の基本的概念を理解しているか、2)行政救済法に関わる問題的状況について批判的に把握しているか、3)1・2について明確に表現できるか、4)授業に積極的に参加し、教員等と意見交換を行うことができるか、である。
・方法
小テスト(30%)・中間試験(35%)・期末試験(35%)とする予定である。
【テキスト・参考書】
テキスト 稲葉馨=人見剛=村上裕章=前田雅子『Legal Quest 行政法(第3版)』有斐閣(2015年) 参考書 「行政法Ⅰ」に挙げたものの他、 高木光=常岡孝好=橋本博之=櫻井敬子『行政救済法(第2版)』有斐閣(2015)、橋本博之『要説行政訴訟』弘文堂(2006)、宇賀克也『行政法概説Ⅱ(第5版)』有斐閣(2015)、塩野宏『行政法Ⅱ(第5版補訂版)』有斐閣(2013)、西埜章『国家補償法概説』勁草書房(2008)
【その他】
・学生へのメッセージ
憲法に関する科目、及び行政法Ⅰを履修済であるか併せて履修することが望ましい。
・オフィス・アワー
月曜日 14:40~16:10 和泉田研究室
|