民事訴訟法I
 Civil Procedure Ⅰ
 担当教員:佐藤 優希(SATO Yuki)
 担当教員の所属:非常勤講師(東北学院大学教授)
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:4単位  開講形態:集中講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
「民事訴訟法の基礎理論を学ぶ」
手続法である民事訴訟法は、民事紛争を解決する手段である裁判手続を定めたものですので、訴えの提起から訴訟の終了までを一連の流れとして、判決手続全体を学ぶことが必要です。しかしながら、ボリュームもあり、難解な用語が多く出てくる民事訴訟法の学習は、民法や商法といった実体法の学習過程にいるみなさんには、難しく思えることでしょう。
そこで、本講義では、民事訴訟法の中心となる判決手続について、基礎理論および判例解釈を学び、その理解をもとに、多数当事者訴訟や上訴といった民事訴訟法の発展的な内容も理解できるように、わかりやすく説明していきたいと思います。
・到達目標
民事紛争の法的解決方法である民事訴訟法の枠組みを理解し、基本原則や用語および重要判例に関する知識を獲得することができる。

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
テキストを中心に講義形式で行います。要点を記したレジュメを配布します。
・日程
第1回 民事訴訟の世界
第2回 民事紛争解決手段
第3回 訴えの提起
第4回 訴訟係属
第5回 訴訟の審理 審理原則(その①)処分権主義
第6回 訴訟の審理 審理原則(その②)弁論主義
第7回 訴訟要件
第8回 訴えの利益
第9回 訴訟の審理 当事者適格
第10回 期日・期間・送達
第11回 口頭弁論の準備
第12回 自由心証主義
第13回 証拠調べ
第14回 立証責任
第15回 判決の効力(その①)既判力の時間的限界、作用
第16回 判決の効力(その②)即判力の客観的限界、既判力の主観的限界
第17回 裁判によらない訴訟の終了(その①)訴えの取下げ
第18回 裁判によらない訴訟の終了(その②)請求の放棄・認諾、和解
第19回 判決手続についてのまとめ
第20回 民事裁判の具体的事例
第21回 客観的併合
第22回 反訴、中間確認の訴え
第23回 通常共同訴訟
第24回 必要的共同訴訟
第25回 訴訟参加、訴訟告知
第26回 独立当事者参加、訴訟承継
第27回 上訴制度(その①)上訴概説、控訴、上告
第28回 上訴制度(その②)抗告、再審
第29回 略式手続
第30回 民事訴訟制度の目的と理念、総まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
指定のテキストもしくは自分が理解しやすい民事訴訟法のテキストを持参して受講して下さい。
試験には、テキストおよびノート等の持ち込みを認めますので、民事訴訟法のテキスト、配布レジュメ、六法を活用して、板書を自分のノートに分かりやすくまとめるようにして受講して下さい。
・授業時間外学習へのアドバイス
民事訴訟法は、ボリュームがあり、独特な用語がでてきます。前もってテキストの該当箇所を読んでおいて下さい。また、テキストの該当箇所を読み直し、ノートを自分なりにまとめ直すと、一層理解は深まります。


【成績の評価】
・基準
民事訴訟法の枠組みや基本原則および用語の理解を主な観点として、その定着がなされていると判断されれば、単位を認定します。
・方法
筆記試験(60%)、レポート(40%)によって評価します。
なお、一定の出席とレポート提出を課しますので、出席回数が足りないときは単位認定の対象にならない場合があります。

【テキスト・参考書】
・テキスト
三谷忠之『民事訴訟法講義〔第3版〕』(成文堂、2011年)を使用する予定です。
・参考文献
中野貞一郎『民事裁判入門〔第3版補訂版〕』(有斐閣、2012年)
高橋宏志・高田裕成・畑瑞穂編『民事訴訟法判例百選〔第5版〕』(有斐閣、2015年)
三木浩一・笠井正俊・垣内秀介・菱田雄郷『LEGAL QUEST 民事訴訟法』(有斐閣、2015年)

【その他】
・学生へのメッセージ
講義にはテキストおよび六法を必ず持参して下さい。そして、講義中に、私語をすることや携帯電話を使って講義に関係ないことをすることは、厳禁です。
なお、出席回数が足りない場合は、単位取得できなくなることがありますので、注意して下さい。
 また、第1回目の講義時に出席及びレポートの課題などの本講義についてのガイダンスを行いますので出席するようにして下さい。

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