地球物質科学Ⅱ
 Earth Material Science II
 担当教員:伴 雅雄(BAN Masao)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:地球環境学科  科目区分:必修科目 
【授業概要】
・テーマ
ー岩石学の基本からマグマ成因論へー
マグマは地球46億年の歴史の中で絶えず活動してきました。岩石ー特に火成岩を解析することは地球の歴史を解明する重要な手段です。岩石学は地球環境学の物質学的側面の基本のひとつであり、また、地球環境学の重要な発見や理論を涵養してきました。この授業では岩石学の専門に必要な事項を学び、地球の物質の成り立ちに関する専門知識を専門知識を身につけ、重要な発見や理論に結びつける能力を養うことねらいとします。
・到達目標
地球及び地球型惑星のテクトニクスを概観した後、造岩鉱物の性質や特徴、岩石やマグマの種類・特徴、岩石やマグマの生成条件と成因などを詳しく学ぶ予定です。このことによって、火成岩やそれをもたらしたマグマの多様性と複雑な成り立ちを系統的に理解することができるでしょう。具体的には以下のようにまとめられます。
(1)地球型惑星の岩石生成環境を理解できるようになる
(2)岩石の種類を判断できるようになる
(3)マグマの種類と特徴を捉えることができるようになる
(4)岩石やマグマの成因を理解できるようになる
・キーワード
造岩鉱物、火成岩、マグマ、マグマの生成環境

【科目の位置付け】
学習・教育目標の「D. 地球環境学の基礎知識を修得し,それを問題解決に応用しうる能力 (D-1) 地球内部物質の成り立ちと地球の歴史に関する専門知識とその応用」に主体的に関与する。

【授業計画】
・授業の方法
地球の大部分は火成岩で構成されています。その火成岩の多様性やそれを理解するための基礎知識を学びます。その上で、多様な火成岩の成因を解明するプロセスを場合によっては演習も行いながら習得できるように進めて行く予定です。
・日程
1.地球および地球型惑星の岩石生成環境1 2.地球および地球型惑星の岩石生成環境2
3.地球上の岩石の産出状況 4.岩石鉱物の種類1ー岩石
5.岩石鉱物の種類2ー鉱物 6.地球の構成と岩石鉱物
7.ノルム計算 8.授業の中間まとめ
9.岩石の成因的分類 10.岩石系列と初生マグマの種類
11.相平衡状態図と相律 12.マグマの地球化学的特徴
13.マグマの分化プロセス 14.マグマの生成と生成環境
15.授業のまとめと達成度評価

【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントで示される講義内容は印刷物として配布しますので、授業中に補足し、またファイルにまとめて内容の理解に努めてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業外学習として、授業内容の節目にレポート課題を出します。さらに、授業で習った内容に関連することを図書館やネットで自分なりに調べてみると良いでしょう。また、その日に配られたプリントを整理し、また、専用のノートなどに要点をまとめておくと良いでしょう。また、この授業で学んだことをきっかけに、関連する多くの文献を読むようにしてもらいたいものです。

【成績の評価】
・基準
授業をとおして得られた知識や経験に基き、地球型惑星の岩石生成環境を適切に理解でき、岩石の種類を正しく判断でき、マグマの種類と特徴を正しく捉えることができ、また、岩石やマグマの成因を適切に理解できるようになることが合格の基準です。
・方法
上記目標(1)-(4)への到達度を中間・期末試験および提出されたレポートの内容で評価します。,中間試験30%、期末試験35%、レポート35%で評価します。目標(1)-(4)の割合は、(1)20%、(2)と(3)それぞれ25%、(4)は30%です。

【テキスト・参考書】
テキスト:適宜、プリントを配ります。
参考書:都城・久城著「岩石学」II・III 共立出版、1975・1977 黒田・諏訪著「偏光顕微鏡と岩石鉱物」 共立出版、1983 久城・荒牧・青木編著「日本の火成岩」 岩波書店、1989 巽好幸「沈み込み帯のマグマ学」東大出版会、1995 高橋正樹「島弧・マグマ・テクトニクス」 東大出版会、2000 周藤賢治・小山内康人「記載岩石学」共立出版、2002 周藤賢治・小山内康人「解析岩石学」共立出版、2002

【その他】
・学生へのメッセージ
授業には積極的に取り組んで下さい。岩石学の知識は地球環境を学ぶには基本のひとつで、いろいろなところに顔を出します。基本的なところをしっかりやってください。きっと将来的に皆さんのためになります。
・オフィス・アワー
授業終了後

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