多変数の微分積分学
  Differential and Integral Calculus for Functions of Several Valuables
 担当教員:神谷 淳(KAMITANI Atsushi),田中 敦(TANAKA Atsushi)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)情報科学分野
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:システム創成工学科  科目区分:専門基礎科目・選択 
【授業概要】
・テーマ
複数個の実数の組を変数とする多変数関数の微積分を講義する.まず,多変数関数の微分として偏微分を定義した後,合成関数の偏微分公式を導入する.さらに,偏微分の概念の応用例として,多変数関数に関するTaylorの定理,極値問題を論じる.次に,多変数関数の積分である重積分を定義し,空間図形の体積・曲面積の具体的な計算法を論じる.
・到達目標
(a)多変数関数の合成関数に対して,偏微係数を計算できる.
(b)2変数関数の極値を求めることができる.
(c)2重積分の計算ができる.
(d)変数変換を用いて,重積分の計算ができる.
(e)重積分を用いて,立体の体積や曲面積を計算できる.
・キーワード
多変数関数,偏微分,全微分,関数の極値,重積分,累次積分,座標変換,体積,曲面積

【科目の位置付け】
本科目の基礎となる科目:微積分基礎
本科目の後続科目:物理化学入門,電磁気学基礎,基礎材料力学演習,工業数学,微分方程式,複素解析,基礎流体力学及び演習,確率統計学

【授業計画】
・授業の方法
90分間の授業時間の内,約60分間を講義に費やし,残りの約30分間で具体的な問題演習またはミニテストを行う.
・日程
以下の項目を各々2 週で講義する.
1)1変数関数の微積分の復習(初等関数,種々の導関数)
2)2変数関数の微分(連続性,偏導関数)
3)合成関数の偏微分,陰関数定理
4)2変数関数に対するTaylorの定理と極値問題
5)2重積分(累次積分,積分順序の変更)
6)変数変換(極座標変換)
7)重積分の応用(体積,曲面積)
最終週には,試験とまとめを行う.

【学習の方法】
・受講のあり方
私語,喫煙等,他の受講生に迷惑となる行為を行った場合は,受講を中止させ,ミニテストを受験させない.
・授業時間外学習へのアドバイス
(a)予習時には,テキストの該当箇所を前もって熟読しておくことが望ましい.
(b)復習時には,講義ノートとテキストを見ながら,ミニテストの問題が解けるようにすることが望ましい.

【成績の評価】
・基準
以下の2点を十分満たしていることが合格基準となる.
(a)多変数関数の微積分(偏微分と重積分)の概念を理解していること.
(b)多変数関数の微分積分を道具として自由に使うための計算力が身に付いていること.
・方法
ミニテスト(14回の予定)(50点),期末試験(50点)を合計し100点満点で判定する.単位認定は60点以上とする.

【テキスト・参考書】
テキストは特に指定しないが,参考書を以下に挙げておく.
1)矢野健太郎・石原繁編:「微分積分(改訂版)」(裳華房,1991年11月)
2)神谷淳,生野壮一郎,仲田晋,宮崎佳典著:「理工系のための解く!微分積分」(講談社サイエンティフィク)

【その他】
・学生へのメッセージ
(a)本講義では能力別編成クラスで実施する.そのため,第1回目の授業では簡単な微積分学の試験を行う.
(b)講義内容は高校程度の数学力があれば十分理解できるが,論理展開を十分に把握するため,毎回必ず予習をした後に講義に出席すること.
・オフィス・アワー
金曜日午後4時ー午後5時(神谷),火曜日午後4時ー午後5時(田中)

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