キャリアプランニング
 Career Planning
 担当教員:志村 勉(SHIMURA Tsutomu)
 担当教員の所属:工学部
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:1単位  開講形態:講義+実習
 開講対象:工学部昼間コース全学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修(機械システム),選択(機能高分子,物質化学,電気電子,情報科学,応用生命システム,バイオ化学) 
【授業概要】
・テーマ
ビジネス社会で役立つ最低限のスキル(企画力、運営力、コミュニケーション力、プレゼンテーション能力など)の獲得を通じながら、ビジネスシーンを意識して自分を見つめる時間を設ける。

・ねらい
社会に出ると求められることの一つに、チームで働く力があります。ときにリーダーシップを求められたり、また誰かのリーダーシップにアクティブで協力的なフォローを求められるでしょう。また、様々な価値観や性格の他人と一緒に活動するためには、自身のコントロールはもちろんのこと人と人との調整能力も求められます。
そのような環境の中で、如何に積極的にチームに貢献できるかを考えることが重要になります。
また、社会にいける多くの活動は、どうやるのか?を考えることはもちろん、何をやるのか?からスタートすることが多いのです。
しかしながら、これまでの大学は、チームで成果を出すための活動経験は乏しく、さらに何をやるのか?からアプローチさせる教育も殆ど行われておりません。
そこで、学生自らが企画・運営し、多くの学生を巻き込みながら、そして参加しなかった学生に対しても広く情報を発信していくことを通じて、社会で働くプロセスを理解し、将来の展望を考える時間とします。これらを、「学生参加型活動」と称して本教科の一部に組み込んであります。
この活動では、できる限り社会人との交流を行うことを促し、社会人との交流の中で職業観に資する情報に触れていただくことも狙いにしています。
また、企画力、マネジメント力、コミュニケーション能力、リーダーシップなどの、社会に求められている能力の基礎を養う目的もあります。
・到達目標
何か成果を求められているチームでの活動の中で、どのようにすればチームに貢献できるのか、また多様な人間関係の中で、チームの和を保つためには、どのように振る舞うべきなのかを体感して理解する。
・キーワード
社会人基礎力(チームで働く力、考え抜く力、一歩前に踏み出す力),企画,マネジメント,コミュニケーション

【科目の位置付け】
学生の主体的活動意欲や自立心を引き出す。
社会人基礎力の素養を高める。
なお、この科目は
物質化学工学科では、学習・教育目標Aに該当する。
機械システム工学科では、学習・教育目標Fに該当する。
電気電子工学科では、学習・教育目標Dに該当する。
情報科学科では、学習・教育目標Cに該当する。

【授業計画】
・授業の方法
社会人との交流に向けたコミュニケーション力を高める訓練、さらにはワークショップなどの企画力や運営能力などについて、講義だけでなくワークやディスカッションを中心に、学生が積極的に、かつ実践的に行動することを求めながら進めていきます。
自分で調べ、考えて、意見を述べる。そして、他人の意見を聞き、意見を加えていく。そのような小さな積み上げを確実に繰り返しながら、能力を高めていきたいと思います。
その後、参加型の実践的活動を実施いたします(演習・実習)。
・日程
第1回 ガイダンス (10月)
・ この科目の目的と意義
・ キャリアデザインの方法
・ その他
この科目の目的と意義について、しっかり理解してもらうために、背景や教育プログラム全体の中での位置づけなどを明確にして説明します。
また、キャリアデザインの重要性について理解してもらったうえで、それに必要なこと、考えるべきことなどと、デザインの方法について講義します。
その後は、学生と教員を交えた意見交換を行います。

第2回 討論会 (10月)
・ 事前に与えたテーマ(キャリア)で討論
・ まとめ
与えられたテーマに対して、考え、意見を述べる。そして、他人の意見をよく聞き、理解し、考え、自分の意見を述べる。そんな当たり前の活動を、自然に行えることがコミュニケーション能力の基本となる。ここでは、学生間の討議を通じて、これらの実践的な訓練を行います。また、併せて、テーマとなるキャリアに関するトピックを深く考えて欲しいと思います。

第3回 企画と運営 (11月)
・ 企画とマネジメント
・ 意見交換
・ まとめ
企画やマネジメントに必要なフレームを一通り解説した後に、簡単なワークを行い、企画力やマネジメント力の基礎を養います。
つづいて、学生主体の企画に向けての、企画のあり方や運営の方法として、組織や体制などについての意見交換を行います。

第4回 社会や産業の構造分析 (12月)
・ 方法の講義
・ グループによるワークショップ
・ 発表
社会や産業の構造についての全体的な解説の後に、社会や産業さらには企業を分析していく方法について説いていきます。それらを、実際のワークを通じて実践力として身につけてもらう。さらに、ワークの成果を簡単に発表してもらう予定です。

第5回 活動報告会 (1月)
本科目での成果と併せて学生参加型活動全般の報告を行います。
幾つかのカテゴリーに分けてのグループ発表とし、広く教職員や学生を聴衆者として募って実施する予定。

【学習の方法】
・受講のあり方
学生の自発的な行動なくして成り立たない教科であるため、積極的な参加が望まれます。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義に関して、予習は特に必要ないが復習は必要です。
生き方マトリックス思考フレームを活用し、しっかり考え、自分の人生を真剣に考える時間を設けてください。

【成績の評価】
・基準
講義での理解度、講義への姿勢と貢献: 40点
学生参加型活動の取組姿勢や貢献: 40点
報告の評価(内容・質): 20点
なお、60点以上を合格とする。
・方法
成績評価基準に示した理解度とは、講義内容を正しく理解し、それに基づいての発言を行っているかどうか。
姿勢とは、他の学生の存在を意識し、調整した上で積極的に取り組んでいたかどうか。
貢献とは、発言(意見や提案)、他の学生や教員に対する授業運営での協力、ならびに演習・実習(ワーク)での積極的行動など。
上記を教員が逐次把握して評価する。

【テキスト・参考書】
講義資料シートなどは講義の際に配布します。
参考書籍は、講義時に必要に応じて紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
★基本的に前期開講の「キャリア形成論」を受講していることが望ましい。

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