高分子物性の基礎（物理的性質）
本講義の受講により、高分子材料の物性に関わる基本的な事項を体系的に習得することを目指す．「高分子物性工学概論」、「高分子合成化学概論」、「光・電子材料工学概論」の3講義で共通のテキスト（「高分子化学 第5版 村橋俊介、小高忠夫、蒲池幹治、則末尚志 編」 共立出版（株））を用いることになっており、特に本講義（高分子物性工学概論）では、上記、共通テキストの第8章・物理的性質に沿って講義する．

高分子材料特有の現象を理解する上で、その基礎を学ぶことは必要不可欠である．この講義の目標は高分子材料が粘弾性物質であることに由来する様々な物性を体系的に理解することである．

高分子、物性、粘弾性、成形加工

高分子物性の基礎

指定テキストに沿った内容を中心に講義を行う．板書とパワーポイントを併用した形式で行い、適宜、視覚的に理解を促す実験映像も用いる．

【高分子材料の物理的性質】（テキスト「高分子化学」の第8章）
第1－2週 ひずみの定義
第3週 ひずみ速度と応力
第4週 弾性体、粘性体、粘弾性体の特徴
第5－6週 粘弾性体モデルの基礎（MaxwellモデルとVoigtモデル）
第7－8週 流動特性の測定法（様々な測定法、Hagen-Poiseuilleの法則、Bagleyプロット、管長補正、ラビノビッチ補正など）
第9－12週 高分子の粘弾性挙動
第13－14週 高分子材料の流動制御と成形加工（成形加工法の種類、成形加工不良の例、成形加工と樹脂の流動特性など）
第15週 講義のまとめと試験

講義は、基本的には板書で行うが、適宜、視覚的な理解を促す為、パワーポイントや動画を用いる。欠席、遅刻、私語がないように受講すること．講義中のスマホ等での黒板の撮影は厳に慎んでください。

教科書指定の講義なので、受講前に事前に読んでくることが望ましい．
適宜、ミニッツぺーパーを配布するので、質問、感想等を記入し、提出すること．

60点以上を合格とする．

期末試験の成績と出席状況等を総合して判断する.

「テキスト」：初回の講義までに各自購入のこと。
「高分子化学 第5版 村橋俊介、小高忠夫、蒲池幹治、則末尚志 編」 共立出版（株）
（本テキストは「高分子物性工学概論」、「高分子合成化学概論」、「光・電子材料工学概論」の3講義で使用するので、留意すること）
「参考書」
「講座・レオロジー」 高分子刊行会
・「高分子材料の化学 井上祥平、宮田清蔵 共著」 丸善出版（株）
・「おもしろレオロジー 増渕雄一著」（株）技術評論社

高分子材料を学ぶ上での基礎的な事項ですので、しっかり習得して頂きたい．基礎的な物理や数学を知識を修得していることが必要です．高分子の面白い物性を学びましょう。

月：8時30分ー9時00分