【授業概要】
・テーマ
本講義を受講することにより,2年次時後期より履修する物質化学工学実験を履修するために必要な基礎を学ぶ.化学技術者・研究者には新たな化合物の合成や新技術を開発するための創造力,共同で目的を達成するためのコミュニケーション能力,成果を発表するためのプレゼンテーション能力が求められている.本講義では,グループ内で簡単な学生実験を行い,レポートの作成やプレゼンテーションといった研究活動に必須である基礎能力養成を目的とする.
・到達目標
1. 基本的な実験器具・機器の名称を理解すること. 2. 安全に実験が遂行できるよう実験に関する基礎知識・器具使用方法などを習得すること. 3. 実験に必要な濃度計算等の基礎的な数値計算ができるようになること. 4. 実施した実験のレポート・プレゼンテーション資料が作成できること. 5. 聴衆の前でのプレゼンテーション能力を身に付けること.
・キーワード
実験基礎,数値計算,レポートの書き方,プレゼンテーション資料作成,プレゼンテーション能力
【科目の位置付け】
この科目は物質化学工学科の学習・教育目標「(D)創造力およびコミュニケーション能力の育成」に主に対応する.
【授業計画】
・授業の方法
◎グループ分け 8-10名×8グループに編成 ◎実験実技 基本的な実験操作を安全・確実に行えるよう徹底的に練習する.1週目は各自で練習し,2週目はグループごとにコンテスト形式で実演して早さ・正確さを競う. ◎グループ実験 毒性・劇性のある試薬の危険性を実験的に確かめるとともに,安全な実験方法をグループでのディスカッションを通じて検討し,検証する. ◎レポートの書き方 実験実技およびグループ実験の両方についてレポートを書き,理工系の文書や図表に求められる表現技法やデータの定量的な扱い方を学ぶ. ◎プレゼンテーション 実験実技またはグループ実験いずれかを題材に一人ずつショートプレゼンテーションを行い,聴き手に「伝わる」プレゼン技法を学ぶ.
・日程
第1週 ガイダンス,グループ分け 第2週 実験実技1 (基本操作) 第3-5週 実験実技2 第6-8週 実験実技3 第9-10週 グループ実験 第11-14週 レポートの書き方・プレゼンテーション 第15週 予備日
【学習の方法】
・受講のあり方
1. 不明な点はまず各自でテキスト・参考書等で調べ,解決しなければ積極的にスタッフに相談すること.独断で進めると予期せぬトラブルを起こすことがある. 2. グループ実験では全員の主体的参加が求められる. 3. 実験室がある9号館は土足禁止.各自の上履きを使用のこと. 4. 実験室内は白衣着用,飲食厳禁.水分補給が必要な場合は廊下等で. 5. 長髪の者は実験操作に支障のないように束ねるなどしておく.
・授業時間外学習へのアドバイス
1. テキストのうち授業で扱わない部分も,後々の授業や研究活動で必要になる.全体を通読し,必要な場面で繰り返し読み返してほしい. 2. 高校までの教科書・参考書および下記に挙げた参考書も積極的に活用してほしい.
【成績の評価】
・基準
1. 無遅刻・無欠席であること(やむを得ない場合は下記「遅刻・欠席の取り扱い」を参照). 2. 全ての課題を行い,期限までにレポートを提出すること. 3. 実験実技(発表),レポート,プレゼンテーションの評点を用いる.
・方法
実験実技 30点 グループ実験 20点 レポート 30点 プレゼンテーション 20点 合計100点で60点以上を合格とする.
【テキスト・参考書】
◎テキスト(受講に必須) (1) 第3版 続 実験を安全に行うために -基本操作・基本測定 編-, 化学同人(2007) (2) 技術レポート作成と発表の基礎技法, コロナ社(2008) ◎参考書(研究活動に必要な素養です.早い時期に一読されたい.) (1) 理科系の作文技術, 中公新書(1981) (2) 第7版 実験を安全に行うために, 化学同人(2006) (3) 化学を学ぶ人のレポート・論文・発表マスターガイド, 化学同人(2010)
【その他】
・学生へのメッセージ
◎準備すべきもの 実験用白衣,上履き(スリッパ・サンダル等かかとのないものは不可),名札(白衣に着用),保護めがね,関数電卓(マニュアルも).必須ではないが,ワープロ・表計算ソフト付きノートパソコンがあれば持ち込んでよい. ◎遅刻・欠席の取り扱い やむを得ず遅刻・欠席する場合は,必ず担当教員まで申し出るとともに,理由書や診断書等の証明書を提出すること.
・オフィス・アワー
担当教員のオフィスアワーを参照のこと.
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