生化学Ⅰ
 Biochemistry I
 担当教員:木島 龍朗(KIJIMA Tatsuro)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)バイオ化学工学分野
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:バイオ化学工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
「生化学」は,生命活動を化学のことばで解き明かす学問です.生化学は、近年進歩が著しい生命科学全体の基本言語ともいうべきものであり、生命現象を理解する基礎となります。
この授業を土台にして,生化学に関心を抱く若い人びとが21世紀の新しい生物科学を切り開いてほしいと念じます.分子生物学や分子遺伝学に進むにしても,生化学に基づいた「生体分子」の正しい理解なしには,新しい概念や分野の開拓は難しいでしょう.また,生化学は広い「生命の科学」の一部であり,その全体の上に成り立っていることを,いつも意識する必要があります.そして,生化学に関する片々たる知識の集積だけを目ざすのでなく,時に「いのち」や「生命」にも思いを馳せてほしいと思います.
・到達目標
生化学は生物を構成する物質の化学であり,生命の理解に必須の学問です.本講義では,生物の基本となる生体高分子(核酸,タンパク質(酵素),糖質,脂質)やその構成単位(ヌクレオチド,アミノ酸,単糖,脂肪酸など)の基本構造や性質について理解することを目標とします。
・キーワード
アミノ酸,ペプチド,タンパク質,糖質,脂質,酵素,遺伝子,核酸(DNA,RNA),

【科目の位置付け】
生化学分野の入門の科目で,バイオ化学系の学生は必ず習得することが望ましい科目ですので、準必修科目と捉えてください.またこの講義は,バイオ化学工学科の教育目標『B)生物―化学に関する基盤学力の習得』に対応します.

【授業計画】
・授業の方法
1回目の授業では,この授業の位置付け,目的,授業日程,到達点を概説します.それから授業を行います.生化学はイメージ(画像)が印象に残る分野なので,授業はテキストとPCを使ったプロジェクターを併用し,毎回配布する資料をノートとして完成させる形式で行います.必要に応じて授業の最後に課題を課します.
・日程
第1週 序論・生命の化学的基礎
第2週 糖質(単糖)
第3週 糖質(二糖・多糖・複合糖質)
第4週 脂質(単純脂質・複合脂質)
第5週 脂質(生理活性脂質・細胞膜)
第6週 アミノ酸・ペプチド
第7週 タンパク質
第8週 酵素(反応速度論)
第9週 中間試験と解説
第10週 酵素(酵素阻害・特異性)
第11週 核酸(ヌクレオシドとヌクレオチド)
第12週 核酸(DNAとRNA)
第13週 遺伝子工学・ウイルス
第14週 生理活性物質
第15週 試験と解説
これはおおよその目安ですので,多少変更があります.

【学習の方法】
・受講のあり方
授業は,予習を必ずしてきて受講することが基本です.授業中は,私語厳禁です.遅刻は認めません.毎回,授業で習ったことはその場で理解することが基本ですが,その確認には配布資料(ノート)の整理などで各自が行うことが必要です.授業の際には,テキストの持参は大前提ですので,忘れないこと.
・授業時間外学習へのアドバイス
予習はテキストを予め読むことで行うことが基本です.授業と,同じ時間の予習と復習及びテストに合格することで2単位が認められることを忘れないで下さい.
授業中に取った配布資料(ノート)をテキストを使いながら整理し,授業内容の理解度を各自点検してください.

【成績の評価】
・基準
生体を構成する物質,酵素とその働きに関する基本的な理解が出来ており,自分自身で演習問題を解くことが出来るかどうかが合格の基準になります.授業内容について基本的な事項を理解できており演習を自分で行う事が出来る:60点~69点,授業内容に関する理解が優れており,演習能力も優れている:70点~79点,授業内容に関しての理解が特に優れており演習能力も特に優れている:80点~89点,授業内容に関する理解と演習能力が極めて優秀である:90点以上
・方法
中間と期末に行う筆記試験(それぞれ100点満点)で行ないます.平均60点以上が合格です.しかし,出席が3分の2に満たない学生は試験を受ける資格がありません.

【テキスト・参考書】
<テキスト> エッセンシャル 生化学 東京化学同人(6500円)
<参考書> マッキー生化学 分子から解き明かす生命 第4版 化学同人(7400円), マクマリー生物有機化学 生化学編 第2版 丸善(5200円),生化学 -基礎と工学- 化学同人(3800円),スタートアップ生化学“わかる生命のしくみ”化学同人(2200円),はじめての生化学 化学同人(2000円)

【その他】
・学生へのメッセージ
授業は,私語禁止,携帯電話禁止,遅刻禁止です.生化学および生物工学の基礎を学ぶ大切な授業ですから,専門に関係なく多くの学生が受講することを望みます.
出席が2/3に満たない人は筆記試験を受けることが出来ません.私語,携帯電話,遅刻は厳禁です.不定期で出席も確認します.
・オフィス・アワー
毎週月曜日,午後4時~5時まで3号館1201室で行っています.遠慮なくおいでください.

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