有機資源化学
 Organic Industrial Resources
 担当教員:多賀谷 英幸(TAGAYA Hideyuki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)バイオ化学工学分野
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:バイオ化学工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
資源に恵まれていない我が国では、原料を加工し、人間生活に欠かせない物質を生産する化学工業が極めて重要な産業である。近年、化学工業は省資源、省エネルギ-、環境問題などの多くの問題をかかえながら、より効率的なプロセスへと発展、変貌を遂げつつある。本講義では石油・石炭・天然ガスや未利用炭素資源の利用などの分野を中心として、そのプロセスの持つ経済的、社会的な意義を踏まえ、さらに環境問題と関連付けながら、工業化学の考え方をとらえようとするものである。
講義では、重要なエネルギー資源として私達の生活を支え、かつ有機炭素資源として様々な素材を提供している化石資源・バイオマス資源および廃炭素資源の現状とその役割を理解することをねらいとする。
・到達目標
化石資源・バイオマス資源および廃炭素資源の現状とその役割を理解することをねらいとし、次の(a)~(d)を到達目標とする。
(a)有機炭素資源の種類とその成因および特徴を理解できる
(b)有機炭素資源の変換と生活製品とのかかわりを理解できる
(c)廃有機炭素資源の現状と工学の役割を理解できる
(d)資源利用と環境問題との関連およびクリアーすべき課題を理解できる
・キーワード
資源;エネルギー;石油;石炭;天然ガス;バイオマス;廃棄物;リサイクル;化石資源;有機炭素資源

【科目の位置付け】
・有機資源化学の基礎となる科目:有機化学I、II
・有機資源化学を基礎とする科目:有機機能材料、有機工業化学
・この科目は、バイオ化学工学科の学習・教育目標「(B)専門知識の習得」に主に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
90分の講義時間で講義とそのまとめの小演習を行う。小演習は、小テストとして講義のまとめに関する課題に回答してもらう。次回の講義の中心的内容は、レポート課題とします。
・日程
以下の各項目について1から3回の講義を行う。
1 石油精製工業(石油の成因と組成、石油の精製と転化)
2 石油製品(ナフサとガソリン、その他の石油製品)
3 石油化学工業(オレフィンおよび芳香族炭化水素の製造)
4 石炭化学(石炭の性質と化学構造、燃焼、ガス化、液化)
5 天然ガス化学(天然ガスの成因と転化および誘導化学製品)
6 バイオマス化学(バイオマスの種類・現状と利用)
7 未利用資源利用化学(廃棄物の現状と廃有機炭素資源利用技術)

【学習の方法】
・受講のあり方
私語は厳禁とし、そのほか、他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、退室していただき、欠席扱いとする。
・授業時間外学習へのアドバイス
前回の講義時に出されたテキストの内容に沿ったレポート課題を提出期日までに提出し、予習にすると共に、次回の講義時にそのレポートを受けとり受講の参考とする。
重要な項目の終了後に、小演習でそれらのまとめを行うので、講義の復習を行っておく。

【成績の評価】
・基準
予習のレポート(60点)、まとめの小テスト(20点)および出席時におけるまとめ(20点)の結果を総合する。この講義の合格ラインは60点とする。
80点以上 :有機資源の種類・起源・変換方法・特徴を有機化学反応の面からも理解している。
70~79点:有機資源の種類とそれらの起源・変換方法および特徴を理解・把握している。
60~69点:有機資源の種類とそれらの起源・変換方法について理解している。
・方法
講義ごとにレポート課題を課すので、指定期日までに提出する。
各講義の最後に、授業のまとめに関する課題を課すので、記入して提出する。

【テキスト・参考書】
有機資源化学、朝倉書店、2,940円
横山孝男ら、環境資源と工学、朝倉書店、3,090円
吉田高年ら、有機工業化学概論、培風館、2,600円

【その他】
・学生へのメッセージ
シェールガスが在来資源として登場し、有機資源と化学工業のかかわりも大きく変化してきています。有機炭素資源の有効利用や環境問題についても考える機会としてもらいたい。
講義は、授業時間内における主題の理解に力点をおき、重要語意についてはレポ-トによる予習を課す。また授業時間終了時にまとめを行い、区切りごとに小テストを行う。
・オフィス・アワー
毎週金曜日16:00~17:00、相談受付場所:工学部3号館、3-2305号室。

51000244-2016-05-52713