微生物学
 Microbiology
 担当教員:高畑 保之 (TAKAHATA Yasuyuki)、矢野 成和 (YANO Shigekazu)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)バイオ化学工学分野
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:バイオ化学工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
17世紀に微生物が発見されたことで、多くの微生物感染症が解明され、また、発酵技術は飛躍的な発展を遂げた。微生物を利用したバイオサイエンスは、健康、食糧、環境を含む生物工学のあらゆる方面で、人類が抱える課題解決の鍵を握るものとして、さらなる発展が期待されている。このような観点に立ち、本授業において微生物の構造と機能、代謝、生活環境、および動・植物との係わりについての基礎知識を学ぶ。次いで、代表的な発酵食品と微生物の関わり、微生物による物質生産や微生物制御技術を学ぶことで、微生物工学の基礎を修得する。
・到達目標
微生物学の方法論を理解するとともに、微生物、特に細菌の構造と機能、物質代謝についての基礎的知識を習得できるようになること。さらに、微生物発酵を分子レベルで理解し、これを生物産業への応用について考えることができるようになること。
・キーワード
原核微生物(細菌)、真核微生物(カビ、酵母)、純粋培養法、集積培養法、独立栄養菌、従属栄養菌、好気性菌、通性嫌気性菌、絶対嫌気性菌、増殖、誘導期、対数増殖期、定常期、コロニー、変異、染色体、プラスミド、抗生物質、ペニシリン、選択毒性、バクテリオファージ、醸造、発酵食品、核酸発酵、アルコール発酵、アミノ酸発酵、遺伝子組換え技術,環境浄化

【科目の位置付け】
バイオ化学工学科の学習・教育目標における(B)専門知識の習得に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
講義を中心に行い、理解を助けるための演習や論議を交える。
・日程
第1回微生物学とは(微生物の発見と発酵技術の発展)
第2~3回 微生物の分類(細菌)
第4回 微生物の分類(カビ・酵母)
第5回 微生物(細胞)の増殖に関する基礎的知識(菌数の測定等)
第6回 微生物の生育に及ぼす環境の影響(酸素、pH、浸透圧、温度、炭素源、窒素源、無機塩類等の基質に対する応答機構)
第7回 突然変異と微生物育種
第8回 遺伝子組換え技術
第9回 発酵食品と微生物の関わり (酒類醸造,乳製品)
第10回 発酵食品と微生物の関わり(味噌・醤油・納豆,他)
第11回 微生物による物質生産 (アルコール,有機酸,アミノ酸,核酸)
第12回 微生物による物質生産 (抗生物質,高分子,他)
第13回 微生物制御技術 (保蔵/保存技術)
第14回 環境浄化 (水質浄化,バイオリメディエーション)
第15回 期末試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
受講に当たっては、単に板書を書き写すだけではなく、原理を理解することに集中する。
できる限り欠席しないように。また,携帯電話,メール,私語,飲食等,他の受講生の迷惑となる行為や授業に関係ない行為は慎むように。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前にテキストの該当箇所に目を通して自ら納得できるところ、また疑問点、わからないことなどを把握しておく。
日々微生物が関わる生活の現象やニュースに興味や注意を向けて欲しい。
わからない点は必ず自分でも考え直す、また友達に聞く、図書館で更に調べるなど解決する。未解決のまま翌日に持ち越さないように。

【成績の評価】
・基準
平常点(小テストやレポートなど)、および期末試験から評価する。
60点以上を合格とする。なお、出席が3分の2に満たない学生は、テストを受験する資格を失います。
・方法
平常点20点 + 期末試験 80点

【テキスト・参考書】
テキスト
村尾澤夫・荒井基夫共編『応用微生物学 改訂版』培風館
参考書
NPO法人 日本バイオ技術教育学会 別府輝彦著「新・微生物学」IBS出版
財団法人発酵研究所監修 「IFO微生物学概論」培風館
適宜プリントも配布する。

【その他】
・学生へのメッセージ
微生物学は、3年前期に開講される遺伝子工学および酵素化学、3年後期に開講される応用細胞工学を理解する上での基本となる授業である。
受講者の自主的な学習意欲を重視して授業を進める。初めて本講義を受講し、基礎として関連する科目を履修していない学生であっても、興味を持って勉強すれば理解し得る内容の授業を行うが、理解を深めるために、授業終了後に質問を受ける。必ず復習をする。
・オフィス・アワー
高畑:水曜日16:00~17:00,工学部3号館4103号室
矢野:火曜日17:00 - 18:00,工学部3号館2102号室

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