有機化学Ⅱ(バイオ)
 Organic Chemistry II
 担当教員:佐藤 力哉(SATO Rikiya)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)バイオ化学工学分野
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:バイオ化学工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
有機化学Iに引き続いて有機化学の基礎を各章の項目に従って講義する。各章に紹介される官能基の命名法、性質、合成法、反応性を学び理解を深める。5章では、芳香族化合物、6章では立体化学、7章ではハロゲン化アルキル、8章ではアルコール、フェノール,エーテルについて学ぶ。

有機化学Iに引き続き有機化合物について基礎的知識を学ぶ授業である。アルコール・エーテル・ハロゲン化アルキル・ベンゼン誘導体といった有機化合物の基本となる構造の化合物の基本的性質を理解し、それらの構造をもつ様々な化合物の特性を推測するうえで応用できるようにする。
・到達目標
5章:ベンゼンの構造、芳香族化合物の命名法,芳香族求電子置換反応、芳香族化合物の酸化と還元、非ベンゼン環および多環式化合物の芳香族性について理解する。
6章:立体化学、光学活性、比旋光度、立体配置表示のための順位則、鏡像異性体とジアステレオマー、メソ化合物について学ぶ。
7章:ハロゲン化アルキルの命名法、ハロゲン化アルキルの合成法、Grignard反応、求核置換反応、脱離反応について学ぶ。
8章:アルコール、フェノール、エーテルの性質と命名法、アルコールの合成法、アルコールの反応、フェノールの合成と反応、エーテルの合成と反応について学ぶ。

・キーワード
アルコール、エーテル、フェノール、ハロゲン化アルキル、ベンゼン誘導体、芳香族求電子置換、立体化学、鏡像体、光学活性、メソ、ジアステレオマー、脱離反応、

【科目の位置付け】
(バイオ化学工学科 専門科目・選択必修)この授業は、有機化学を学ぶ上で重要な分野の内、芳香族化合物、立体化学、ハロゲン化アルキル、アルコール・エーテルについて学ぶ。なお、本授業を受講する前に有機化学Iを受講しておくことが望ましい。

【授業計画】
・授業の方法
講義は教科書を中心に説明する。適宜講義の最後にレポートとして講義内容について課題を出すので、次回の講義の際に提出する。レポート結果をもとに、理解度をみながら授業の進度を調整していく。
・日程
1週:授業概要の説明と5章芳香族化合物 ベンゼンの構造
2週:芳香族化合物 命名法、求電子置換反応
3週:芳香族化合物 Friedel-Crafts アルキル化反応、置換基効果、
4週:芳香族化合物 酸化と還元、非ベンゼン系芳香族化合物
5週:6章立体化学 立体化学と4面体炭素
6週:立体化学 光学活性 比旋光度、立体表示のための順位則
7週:立体化学 鏡像異性体とジアステレオマー、メソ化合物
8週:7章ハロゲン化アルキル 命名法 製法
9週:ハロゲン化アルキル Grignard 反応 求核置換反応、SN1, SN2
10週:ハロゲン化アルキル 脱離反応
11週:E1, E2 反応
12週:8章 アルコール、フェノール、エーテルの命名法
13週:アルコール、フェノール、エーテル 水素結合、酸性度
14週:アルコールとフェノールの合成と反応
15週:エーテルの合成と反応、チオールとスルフィド

【学習の方法】
・受講のあり方
予習をして授業に出席することが望ましい。
また、授業中は私語、飲食等は控えること。受講生の迷惑になると判断した場合は受講を遠慮してもらいます。なお講義はパワーポイントと板書を随時使用するので、示される講義内容をノートに筆記して内容の理解に努める。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習としては、最低限教科書を1度は読んでくること。理解出来ない点を講義中に特に注意して聞くようにすると良い。
良く理解出来ない点は、講義後でもかまわないので質問にくること。
また、与えられた課題を解いて復習しておくこと。章末にある問題等もできるだけ解くとよい。

【成績の評価】
・基準
各テーマの基礎的な事項について適切に説明できることを合格の基準とします。
命名法や基礎的性質の理解を基準とし、それらの知識を基にした応用反応をいかに発展させられるかにより評価します。
・方法
筆記試験およびレポート等を総合し成績を決定する。中間試験と定期試験の成績をそれぞれ40点として計80点。レポート等を20点として、合計100点を満点とし、60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
テキスト:マクマリー有機化学概説第6版
参考書:ボルハルトショアーの現代有機化学(上・下)
モリソン・ボイド 有機化学
ソロモン 有機化学
等有機化学の教科書

【その他】
・学生へのメッセージ
2年前期の有機化学Iおよび3年前期の有機化学IIIをあわせて履修することにより、有機化学の基礎的な内容をおおよそカバーできます。将来有機化学的学問を学ぶには大切な講義ですから、内容は盛りだくさんですがひとつひとつ積み上げていくことが大事です。がんばりましょう。
有機化学I,IIIの他、機器分析の講義も履修しておくこと。
・オフィス・アワー
金曜日16時~17時 9号館400ー3号室(研究室)
連絡先:riki@yz.yamagata-u.ac.jp


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