特別講義(機械システム基礎)
 Special Lecture (Introduction to Mechanical Systems)
 担当教員:秋山 孝夫(AKIYAMA Takao),篠田昌久(SHINODA Masahisa),幕田寿典(MAKUTA Toshinori)

 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)システム創成工学分野
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:1単位  開講形態:講義
 開講対象:システム創成工学科 機械システム工学分野配属学生  科目区分:専門基礎科目・選択 
【授業概要】
・テーマ
機械システム工学分野配属のシステム創成工学科1年生に対して,機械システム工学科1年生向けに小白川地区で開講されている「機械工学基礎Ⅲ・Ⅳ」に相当する内容の講義を行い,2年次以降に開講される機械システム工学分野の専門科目との滑らかな接続を目指す.静止流体の力学,熱力学第0・1法則,剛体の力学を扱う.
・到達目標
流体を分類して説明できる.静止流体に働く力学的現象が説明できる.熱力学第0法則が説明できる.熱力学第1法則が説明できる.質点系の運動量の法則が説明できる.質点系の角運動量の法則が説明できる.剛体の運動方程式が説明できる.固定軸まわりの剛体の回転運動に対して回転運動方程式等を立てて解析できる.一様で対称形状の剛体の慣性モーメントが計算できる.
・キーワード
粘度と動粘度,粘性流体と非粘性流体,ニュートン流体と非ニュートン流体,圧縮性流体と非圧縮性流体,圧力と等方性,重力場における圧力分布,アルキメデスの原理,内部エネルギー,温度と熱平衡,熱力学第1法則,質点系の重心,質点系の運動量の法則,質点系の角運動量の法則,剛体の運動方程式,剛体のつり合い,角速度と角加速度,剛体の回転運動方程式,慣性モーメント

【科目の位置付け】
2年次以降に開講される機械システム工学分野の専門科目の基礎となる科目

【授業計画】
・授業の方法
講義は諸概念の持つ意味の解説を中心に行う.演習問題を課題として出す.
・日程
第1週 「流体の性質と分類」: 密度と比重量,粘度と動粘度,体積弾性係数と圧縮率,粘性流体と非粘性流体,ニュートン流体と非ニュートン流体,圧縮性流体と非圧縮性流体,理想流体と実在する流体
第2週 「静止流体の力学」: 圧力と等方性,重力場における圧力分布,マノメータ,面に働く静止流体力,アルキメデスの原理
第3週 「熱力学の基本概念と熱力学第0法則」: 内部エネルギー,温度と熱平衡,熱量と比熱,状態量
第4週 「熱力学第1法則」: 熱と仕事,準静的過程における閉じた系の熱力学第1法則,理想気体における熱力学第1法則
第5週 「質点系の運動」: 質点系の重心(質量中心),剛体の重心,質点系の運動量の法則,質点系の角運動量の法則,質点系の運動と重心
第6週 「剛体の運動方程式と剛体のつり合い」: 剛体に働く力の性質,偶力,剛体の自由度,剛体の運動方程式,剛体のつり合い
第7週 「固定軸まわりの剛体の回転運動」: 角速度と角加速度,固定軸まわりの角運動量と慣性モーメント,剛体の回転運動方程式
第8週 「慣性モーメントに関する2つの定理と慣性モーメントの計算例」: 平行軸の定理,平面板の直交軸の定理,細長い棒の慣性モーメント,薄い円板の慣性モーメント,球の慣性モーメント
第9週 「簡単な剛体の運動」: 剛体振り子,ヨーヨーの運動,斜面を転がる円柱

【学習の方法】
・受講のあり方
毎回出席すること.
・授業時間外学習へのアドバイス
演習課題を解く過程で授業内容の理解と定着に努めること.

【成績の評価】
・基準
到達目標を満たすために課す数回の演習レポートの内容を成績評価の判断材料とする.
・方法
出席状況および数回の演習レポートの成績を総合して判定し,100点満点中60点以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
JSMEテキストシリーズ 流体力学,日本機械学会,丸善,2037円
JSMEテキストシリーズ 熱力学,日本機械学会,丸善,2037円
新・基礎 力学,永田一清,サイエンス社,1944円
新・基礎 波動・光・熱学,永田一清・松原郁哉,サイエンス社,1944円

【その他】
・学生へのメッセージ
授業に毎回出席することが合格のための必要条件である.
・オフィス・アワー
毎週金曜日16時~17時,6号館6階603号室

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