環境計測化学
 Environmental Analytical Chemistry
 担当教員:遠藤 昌敏(ENDO Masatoshi)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)物質化学工学分野
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物質化学工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
人の生産活動が地球全体にわたる物質循環のバランスを崩し、環境汚染が地球全体に拡大している。また、産業構造の変革と発展は種々の化学物質を生み出し、その種類と使用量は増加の一途をたどっている。これらの化学物質は科学技術の進歩と生活の向上に大きく寄与しているが有害で危険なものも少なくない。よってこれらの化学物質の特性と計測法を学び、環境保全のための方策について考える。
環境汚染の主体は化学物質とみなせる。これらの化学物質の環境中での移動・循環、計測法、人への安全性、生態系への影響について理解する。また、資源リサイクルやエネルギー問題に関しても知識を習得する。
・到達目標
環境汚染の原因物質が環境に与える影響について理解し、環境関連法令、基準値、計測法について説明できるようになる。また、リサイクル、エネルギー問題についても意見が述べられるようになる。
・キーワード
環境化学、環境基本法、資源・エネルギー

【科目の位置付け】
物質化学工学科の教育目標の「(B)工学基礎および専門知識の習得と継続的学習」に対応する。専門科目で選択必修である。

【授業計画】
・授業の方法
講義はテキスト中心に行うが、VTRの活用、参考資料の配布を行う。また、毎回演習問題を解いて理解を深め、論述のトレーニングを行う。
・日程
第1週 環境計測化学で学ぶこと
第2週~4週 環境問題の歴史
第5週~7週 環境基本法と環境基準
第8週~10週 環境における化学物質の挙動と問題点
第11週 廃棄物とリサイクル
第12週~13週 汚染化学物質の測定
第14週 環境とエネルギー
第15週 定期試験とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
環境に関する問題について関心を持つことが重要である。その後、環境問題と化学物質の因果関係を正しく理解し、それらの予防と対策について考察する。さらには、自分自身の意見を持ち、説明できること、実践に結び付けられるように心がけて頂きたい。
・授業時間外学習へのアドバイス
常日頃から環境に関するニュースや記事に目を通す。
次回の講義部分の内容を把握しておくこと。
演習問題での考え方やわからなかった事柄を調べてまとめておくと良い。

【成績の評価】
・基準
環境に影響を及ぼす物質に関して、発生源、性質、予防法と対策、基準値と計測法およびリサイクルやエネルギーなどの環境問題を理解し、記述できるようになれば合格である。
・方法
期末試験70点、毎回の演習問題30点、合計100点で評価する。60点以上が合格。

【テキスト・参考書】
田中稔、船造浩一、庄野利之、環境化学概論[第2版]、丸善、2,625円

安原昭夫、小田淳子、地球の環境と化学物質、三共出版、2,415円
及川紀久雄、北野大、篠原亮太、低炭素社会と資源・エネルギー、三共出版、2,835円
村松康行、土居雅広、吉田聡、放射線と地球環境、研成社、3,990円

【その他】
・学生へのメッセージ
化学物質の定量的な扱いについて「分析化学」を履修していることが望ましい。
身の回りの環境問題に関心を持つことが重要である。
・オフィス・アワー
毎週金曜日16:00~17:00

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