ロボティクス
 Robotics
 担当教員:多田隈 理一郎(TADAKUMA Riichiro)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・選択科目 
【授業概要】
・テーマ
ロボット工学は非常に幅広い科学知識を集積した学問であり,ロボットの機構と運動,動力学,制御計算機工学,センサ工学等を基礎とする.その中で,ロボットの設計駆動のための基本であるロボット機構と運動学及び動力学についての基礎知識を主に学習する.ロボットには人の手に相当するマニピュレータと足に相当する移動ロボットとに大別されるが,本講義はマニピュレータを対象とする.先ず,基本構成と作業空間及び設計上の問題点を説明する.次に,同次変換,マニピュレータの関節座標入力から手先効果器におけるデカルト座標を出力する方法,及びその逆問題の解法を示す.また,微小運動のための微分関係とヤコビアン行列を示す.さらにラグランジュ法によるマニピュレータの運動方程式導出法を示し,マニピュレータの運動制御の基本を解説する.同次変換,回転行列などを使ったマニピュレータの力学を修得すること.
・到達目標
(1)ロボットの機構や各センサ,及び物体座標系と回転座標系について学ぶ.
(2)同次変換とリンクパラメータ,及びリンク座標系について学ぶ.
(3)順運動学と逆運動学及びヤコビ行列について学び,ヤコビ行列を用いた静力学及び動力学について考察する.
・キーワード
線形代数の応用,機構の力学(キネマティクス),ラグランジュの運動方程式,ロボット用センサ,メカトロニクス,ロボティクス

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標(A)「工学の基礎力」(線形代数)および(H)実践的機械工学(デザイン・ロボティクス分野)の修得を目的とした科目である.

【授業計画】
・授業の方法
講義形式とする.レポートや宿題を課す.90分×15週の授業を行う.
・日程
第1-3週 ロボット工学の各要素技術と座標変換・オイラー角及び回転行列
第4-6週 同次変換行列とリンクパラメータ及び順運動学・逆運動学
第7-10週 ヤコビ行列と特異点及び静力学
第11週 軌道計画
第12-14週 動力学と人工知能
第15週 期末テストと解説

【学習の方法】
・受講のあり方
コンピュータシミュレーションを各自で行うこと.運動学に対する理解が深まります.
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストや参考書をよく読んで,キーワードの概念を理解しておく.各テキスト内の例題を自分でやってみる.

【成績の評価】
・基準
宿題・レポート・期末テストの合計点数で60点以上を合格とする.「授業概要(目標)」に挙げた項目に対する評価の比率は(1)が30%,(2)が30%,(3)が40%である.
・方法
宿題・レポートを40点満点,期末テストを60点満点とし評価する.期末テストは「授業概要(目標)」の(1)~(3)についての試験である.

【テキスト・参考書】
テキスト:吉川恒夫著,ロボット制御基礎論,コロナ社
参考書:広瀬茂男著,ロボット工学,裳華房
参考書:John J. Craig著,三浦宏文・下山勲訳,ロボティクス,共立出版株式会社

【その他】
・学生へのメッセージ
運動学の深い理解のために,コンピュータシミュレーションを活用して下さい.
本講義科目の内容は,運動と力学と制御工学および機構学等を履修していることが望ましい.
・オフィス・アワー
水曜日 15:00~17:00・連絡先:tadakuma@yz.yamagata-u.ac.jp

50201650-2016-05-53353