計算熱流体力学
 Computing Heat and Fluid Flow
 担当教員:中西 為雄(NAKANISHI Tameo)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)機械システム工学分野
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業概要】
・テーマ
コンピュータを用いて熱流体力学問題を解くための手順、数値計算法の基礎について講義し、演習を通じて熱流体解析の実際を習得する。
これまで学んできた熱工学と流体工学の基礎知識にコンピュータ・シミュレーション技術を加味させ、熱流体力学問題に応用する能力を養う。
・到達目標
1 (学習・教育目標H) 熱流体力学問題を支配する質量、運動量、エネルギー保存則を説明できる。非圧縮性流の基礎方程式を導出できる。移流・拡散に関する簡単な数学モデルを説明できる。
2 (学習・教育目標H) 熱流体力学問題に対する差分法の基礎と特徴を説明できる。
3 (学習・教育目標J) 簡単な熱流体力学問題の数値シミュレーション(計算プログラムの作成、実行、データ処理)を実施することができる。
・キーワード
数値流体力学、質量と運動量の保存、エネルギー保存則、計算機利用の基礎、数値計算、シミュレーション

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標:(H)「実践的機械工学(熱流体・エネルギー工学分野)」,重み0.5;(J)「実験・シミュレーションの計画・遂行力」,重み0.5 を養成する科目である。

【授業計画】
・授業の方法
90分×15週の授業を行う。各回授業の前に、30分程度の予習が必要である。全期間に渡って複数回のレポートが課される。第5週までのレポートは紙と鉛筆で解ける問題である。それ以降のレポートはR言語によるプログラミングと計算が必要となる。第5週以降のレポートはパソコンで作成することが要求される。
・日程
第1週 コンピュータを用いて熱流体力学問題を解くための手順、応用例
第2,3週 熱流体力学問題の記述方法、質量、運動量、エネルギー保存の方程式と無次元化
第4週 基礎方程式から抽出されるモデル方程式、偏微分方程式の分類、初期条件と境界条件
第5週 差分法の基礎、1階微分に対する前進、中心、後退差分、2階微分に対する中心差分、テーラ展開と差分近似の精度、打切り誤差
第6週 1次元熱伝導方程式の差分解法とプログラム
第7週 差分法の適合性、収束性と安定性、陽的な方法と陰的な方法
第8-10週 1次元熱伝導方程式の陰解法、連立一次方程式の反復解法、1次元熱伝導方程式の陰解法のプログラム
第11週 計算格子の概念、2次元ポアソン方程式を解くためのプログラム
第12週 移流方程式の差分解法、風上差分法の概念、CFL条件
第13,14週 非圧縮性ナビエ・ストークス方程式の差分解法
第15週 期末試験および総括

【学習の方法】
・受講のあり方
講義に出席し、話をよく聞き、疑問点は積極的に質問すること。毎週、オフィスアワーを設けているが、それ以外の時間でも学生からの質問を優先的に受ける。
・授業時間外学習へのアドバイス
講師独自のプリントをよく読んでおくこと。レポートは必ず自分でやること。わからないところがあったら質問すること。情報処理およびシミュレーション技術は現代社会を生きる必要不可欠な技術となっている。パソコンを活用した作業能力を積極的に養いましょう。

【成績の評価】
・基準
100点を満点とし、60点以上を合格とする。「授業概要(到達目標)」の項目に対する評価の比率は,(1) 30%, (2) 30%, (3) 40%である。
・方法
授業内容に対する達成度を,レポート(40点)および学期末の試験(60点)の合計100点により判定して成績を決める。出席回数が3分の2未満の場合は単位を与えない。

【テキスト・参考書】
講師独自のプリントをホームページからダンロードして使う。ホームページのアドレスは初回の授業で案内する。

【その他】
・学生へのメッセージ
「基礎流体力学及び演習」、「機械情報処理演習」を履修していることが望ましい。 演習でパソコンを使用するので、各自、ノートパソコンを準備してください。
・オフィス・アワー
6-405教員室にて、毎週木曜日09:10-10:25

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